暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
変態と紳士の境界線上 その三
[1/7]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
こちらに真っ直ぐ向かってくるのは『福音』だ。
俺が進路上にいるんだから、まあ当然なんだが。
距離は離れているが、俺の後ろには船籍不明の船がいる。
船を気にしながらの戦闘なんて、かなり手間がかかりそうだ。
ハイパーセンサーの視覚情報でこちらに近づいてくる『福音』を確認する。
全身が銀色で頭部から一対の翼が生えている。
本体同様銀色に輝くそれは、大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型システムらしい。
今回は俺にとっての初めての実戦だ。
緊張しないかと問われれば、していると答えるだろう。
ロールプレイング・ゲームでいうと、ゲームしょっぱなロクにレベル上げもしないで、いきなり中ボスに挑むようなもんだからな、無謀と言ってもいい。
唯一の救いは、相手が無人機だということだろう。
遠慮する必要がない。
だが、向こうも遠慮はしないだろう。
なんせ、篠ノ之束のことだからな。
そうだとしても、ここまで来て引き返す訳にもいかないし、とにかくやってみるしかない。
『福音』がミサイルの射程内に入る。
俺は両足のふくらはぎ部分に急造で取り付けてある、使い捨てのミサイルポットから六本のミサイルを全弾射出。
ミサイルは噴煙は空に白い航跡を描きながら目標めがけて飛んで行く。
俺は高度を変えず反時計回りで機体を滑らす。
ミサイルポットはパージ可能だが、今はしない。
ミサイルを感知したのか『福音』は回避を開始している。
俺は命中を確認することなく、次の行動を起こす。
機体後部に取り付けてあるアームが動き出し、俺の脇の下を通るように二挺のガトリングガンが前に押し出されてくる。
本来なら、セシリア機のようにミサイル発射装置があるはずだか、俺の機体にはそれがない。
そんなもんより、小型のガトリングガンを二挺つけてくれと言ったからだ。
素人考えだが、ちまちまとミサイルを発射するより、威力は小さいが、一分間に一千二百発の弾丸を吐き出すガトリングガンのほうがよっぽどいいだろうと思ったからだ。
持ち手を握るとモーターが唸り始め、六本の砲身がゆっくりと回転を始める。
ハイパーセンサーが警告を発する。
見れば、『福音』の放ったエネルギー弾が俺に向かって飛んで来ていた。
一個のエネルギー弾の大きさはソフトボール大に見える。
それが無数に襲ってくるんだ、絶対防御があるといっても恐怖を感じる。
俺はそれを確認すると、空のミサイルポットを切り離し、囮に使うと機体を急上昇させた。
エネルギー弾は切り離したミサイルポットに命中したのだろう、下方から俺の身体に幾度も衝撃が伝わってくる。
爆発時の衝撃波を下方から感じるが構うこ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ