第五話 DeadWars
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審判がいるこの場で、コイツも……!?
いや、違う、驚くべきことはそこじゃない。
利用させてもらっただけ……イカサマを、利用……!?
そこで、頭の中の歯車が音を立てて合わさった。
そうか……利用……!
デッドウォーズで配られるトランプは46枚で、除外されるトランプは6枚だから……。
ああっ……! そういうことか……!
俺は、忘れていた。
ここはSAOだ……なら、あれは……十分に可能なんだ……!
こうしちゃいられない!
策はもう整った、後は実行するだけだ!
「悪い! 兄ちゃん達、俺抜けるわ! ああ、今回の負けで賭けた10k、置いておくから!」
「お、おう?」
「なんだなんだ、どうしたどうした?」
動揺する台をそのままにし、早足でホールから出る。
やるなら……明日だ!
俺は早速、玖渚とギルドメンバー、さらにフレンドへメッセージを飛ばし、明日への準備を進めることにした。
6月初め。
ついにこの日がやってきた。
夜10時、俺は玖渚、さらにギルドのメンバーの一人。
天乃が紹介して入ったクーレイトというやつと共にここに来ていた。
クーレイトは現実では俳優だったらしく、あんまり売れてはいなかったらしいが……。
兎に角その容姿は完璧に近い男だ。
名前の由来はクール&グレイトから来ているらしい。
コミュ力もやたらと高く、すぐに仲良くなれた。
しかもレベルも高レベルでPTにおいては仲間を第一として行動してくれるいいやつだ。
ギルド内で信用も高く、しかも……。
「なぁアルス君。 本当に俺が貸した50Mをこんなところで使うのか……?」
とんでもない金持ちでもある。
ただしこの金は元々一層にある児童施設のような場所に寄付するためのものらしい。
何処までもいいやつなんだが、そのいい人っぷりから、常に周りから引っ張りだこであまりギルドに顔を出せないのが難点か。
しかし、軍資金はこれで揃った。
天乃、桜花、レイカ、そして残りのギルドメンバーのガンマさんやフレンド達から借りて俺の所持金は今100Mだ。
もちろんクーレイトに顔を利かせてもらったっていうのもあるんだが……。
これで俺は破産どころか、最悪ギルメンからPKされちまう。
もう負けられない、背水の陣だ。
ああ、久々にきやがったぜ……この感覚。
心の奥底から湧き上がってくる、この興奮!
「アルス、兎に角、成功した場合の報酬金はよろしくねー」
隣でそう口にする玖渚は、意地の悪い笑みを浮かべる。
コイツを連れてきたのも理由がある……。
というか、コイツと、クーレイトが、今回のキーマンだ……!
俺はホールへと足を踏み入れ、一直線に、女性が待つ、デッドウォーズの場へと行く
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