第五話 DeadWars
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しか持てない。
もしA3、K3、Q3の最高の状態だったとしても、最大で9勝。
ゲーム終了までには一勝足りない。
さらにその状態だと大きい点数のカードがこちらが持っているため、相手から奪える点数の期待値は低い。
しかも相手がA、K、Qで勝った場合、逆転される可能性も十二分にありえる。
運の要素も強いが、読み合いが大事だ……。
余談だが、デッドウォーズであの女性に勝った人間を一人以外見たことがない。
一見すると、あの女性が読みが凄まじいということになるが……。
そんなことはありえない。
唯一勝った人間のアイツは……恐らく、グルだ……!
どうやってあの監視を掻い潜ったかは知らないが、なんらかのイカサマをして勝っている。
しかし、そのイカサマを見抜けない。
どう見ても、普通にゲームをしているようにしか見えない。
しかし、イカサマを行うならば、タイミングは一つ。
こちらが山札を組んでいる最中だ。
山札の中身さえ認知すれば、山札が格段に組みやすくなるからな。
というかほぼ勝ったも同然だろう。
だからこそ、必勝法は……相手がこちらの山札を認知する前に、山札を組み終えること……!
しかしそれは難しい。
高速で組み上げたとしても、結局読みが浅くなる上に相手に多少は山札を見せることになる。
そうなると……。
配られた後に裏側のままシャッフルして山札とする運否天賦に賭けるしか……。
いや、危険だ、自殺行為だ。
そんな運否天賦で勝てるほど優しくないはず……。
くそ……どうすれば……。
そんなことを思いながら、目の前のポーカーに集中する。
とりあえず俺の今の手札にはスリーカードが揃ってる。
残り2枚が揃えばフルハウス……。
そう思った瞬間、隣から罵声が聞こえてきた。
「馬鹿な! なんでだ! ありえないだろ!」
叫んだのは隣のテーブルにいた20台の男性。
わなわなと体を震わせながら場を見ている。
見ると、そいつの手元にはストレートフラッシュが揃えられていた。
どんな激運だ、とか思っていると。
そいつの前のやつは、ニタニタと笑いながら、手札をオープンする。
そこには……。
ロイヤルストレートフラッシュ……!
マジかよ……。
こんなもんただの奇跡だろ……。
そう思ったのは、間違いだった。
ニタニタと笑っている男は、落ち着いた様子で、それでいて、ハッキリと口を開けた。
「ありえない? 何を言っている。 そもそも、こうなるようにイカサマをしたのはアンタだろう。
俺はアンタがイカサマをするのは知っていた。 だから、ただ利用させてもらっただけ。
次の手番、アンタが揃えるはずだったカードを、俺が今揃えただけさ……!」
イカサマ……!?
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