第五話 DeadWars
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…。
違うカードに、マーキングがついている。
なんで……!?
そう思った直後、背後から、小声が聞こえた。
「お嬢さん、マーキング行為はやるものではないですよ。 それを過信する余り、真実が見えなくなってしまう。
例えば、私が貴方にかけたターゲット変更スキルにすら気づかないほど、貴方の眼は衰えていたようですね」
……変更スキル……っ!
私が、それを使ってると過程して、使ってきたっていうの……!?
そうか……それなら、辻褄が合う。
一戦目、私が果たしてそのスキルを使っているかを見て、二戦目の今、ここで仕掛けてきた……!
あくまでも一戦目は、捨て試合だったって話ね……!
やられた……。
ただ、それだけを思って、山札からカードを出していく。
結果は、惨敗。
先にアルスの捨て札に20枚溜まり、清算へと入る。
私の捨て札はわずか4枚。
「26……」
「166! ボーナスで四捨五入して170だ!」
差異は144……ボロ負け……!
さっきのを含めると、合計で61Mの敗北……。
破産はしないけど……痛い負けだ。
「……やられたわ。 よくぞ、見抜いたわね」
私は渋々とアルスへと144Mを渡しながら呟くと、アルスは意地の悪い笑みを見せて。
「やったのは、俺じゃなくお前の後ろにいるクーレイトと、俺の後ろにいる玖渚だ。
まぁ、あそこまで上手くいくとは思わなかったけどな」
そう言って、アルスは立ち上がる。
「さて、とっととこの背中のトゲゾーを抜いてもらうか。 このままじゃ全裸になっちまうぜ」
彼がそう口にすると、周りからオレンジカーソルのジャッジ達が集まり、背中に刺さっていた武器を全て抜いた。
その瞬間、ホールから歓声が上がる。
「すげぇぞ! 兄ちゃん、あのスユアを倒すなんてよ!」
「おい! 今勝った金で勝負しようぜ! 俺の得意なポーカーで!」
「逃げんなよ! 大富豪で青天井やるぞ!」
次々と投げかけられる言葉に。
「あ〜、いやいや、どーもどーも。 この金は自分らのギルドの家買うために必要なわけで……。
というかこっちは命がけだったんですよ! マジで!」
アルスは社会人らしく、腰を折りながら解釈をしていた。
こう見ると、さっきの勝負とのギャップが凄まじい。
……面白いわね。
玖渚、クーレイト、そしてアルス……。
この子達のようなチームワークがあれば、イカサマして勝たなくたって、面白いのかな……。
―――――
翌日、25層の宿。
俺達ディラックは、天乃の一室へと集まっていた。
「はい、朝礼しまーす……じゃなかった、社会人の時の癖がついちまってるな……」
天乃がそう言ってボリボリと頭を掻くと、その場で笑いが起こる。
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