第五話 DeadWars
[11/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っさと始めようぜ……!」
そう言って、俺はとっとと山札の上のカードを場に置いた。
これで完成。
もし相手がなんらかのガン行為をして、俺の山札の順を知っているとしたら、それに対応した山札を組んでくるはずだ。
だから、山札を組んだ後、一番上のカードを一番下へと置けば……。
一気に相手の手口は崩壊する。
それどころか、もうあとは自動。
相手が対応したはずのカードが、総崩れ。
それどころか、こっちが逆に相手に対応した山札になるんだからな……!
「……っ!」
女性はギリと歯を食いしばった後、カードを出す。
一戦目、こちらはA、そして相手はK。
そうだろう……!
俺はこうするために、あえて山札の一番上をQにしたんだからな……!
Qを1枚失うことになったが、それでもこの勝ちはでかい。
一気に27ポイントのアドバンテージを得ることが出来た。
「さぁさぁ行くぜ! 俺の快進撃!」
山札から出されるカードは、もちろん2!
ここで相手はこれに対して強いカードを使ってくることはねぇだろう。
どうせ3とか……!
そう思って、場に出されたカードを見ると……10。
「じ、10……!?」
俺が驚いていると、女性は食いしばった歯をゆっくりと開けた後。
邪悪な笑みを俺へと見せてきた。
「ふ、ふふ、ふふふふふふふ! なるほど、素晴らしい手ね! イカサマを前提としたイカサマ封じ……。
けど、甘いわよ。 そんな浅知恵を使ってきたやつが、今までいなかったと思う?」
そう言って、女性はカードを回収した後、山札からカードを出す。
出されたカードは……A!
嘘……だろ……!?
俺が出したカードは、Q……。
なんで、なんで……なんで、俺がQを出すとわかったんだ!?
頭の中で無数に浮かぶ疑問に、女性はゆっくりと口を開いた。
「甘すぎね……! 全てが甘々! トランプとは、常に相手の2手、3手先を読むものよ……!」
その言葉に、俺は身震いを覚える。
コイツは……ヤバい。
一気に点数が逆転になったどころじゃない。
対抗策に対する、対抗策があったってことなのかよ……!
こうなると……。
「クソ!」
俺は懲りずに山札からカードを出すと、女性も山札からカードを出した。
俺が出したのはA、相手が出したのは3。
……読まれてる!
今回は勝ったが……これで俺にはAがもう無い。
それに対して、あっちはAをもう1枚持っている可能性がある。
まだKだって、2枚ある可能性が……!
ゾクゾクと、音を立てて背筋が凍る。
負ける……負ける……負ける!?
「ふふ、清算まで、楽しみにしてることね……!」
女性のその言葉が、俺には、悪魔の囁きに聞こえた。
終了後。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ