暁 〜小説投稿サイト〜
26歳会社員をSAOにぶち込んで見た。
第五話 DeadWars
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っさと始めようぜ……!」
 そう言って、俺はとっとと山札の上のカードを場に置いた。
 これで完成。
 もし相手がなんらかのガン行為をして、俺の山札の順を知っているとしたら、それに対応した山札を組んでくるはずだ。
 だから、山札を組んだ後、一番上のカードを一番下へと置けば……。
 一気に相手の手口は崩壊する。
 それどころか、もうあとは自動。
 相手が対応したはずのカードが、総崩れ。
 それどころか、こっちが逆に相手に対応した山札になるんだからな……!
「……っ!」
 女性はギリと歯を食いしばった後、カードを出す。
 一戦目、こちらはA、そして相手はK。
 そうだろう……!
 俺はこうするために、あえて山札の一番上をQにしたんだからな……!
 Qを1枚失うことになったが、それでもこの勝ちはでかい。
 一気に27ポイントのアドバンテージを得ることが出来た。
「さぁさぁ行くぜ! 俺の快進撃!」
 山札から出されるカードは、もちろん2!
 ここで相手はこれに対して強いカードを使ってくることはねぇだろう。
 どうせ3とか……!
 そう思って、場に出されたカードを見ると……10。
「じ、10……!?」
 俺が驚いていると、女性は食いしばった歯をゆっくりと開けた後。
 邪悪な笑みを俺へと見せてきた。
「ふ、ふふ、ふふふふふふふ! なるほど、素晴らしい手ね! イカサマを前提としたイカサマ封じ……。
けど、甘いわよ。 そんな浅知恵を使ってきたやつが、今までいなかったと思う?」
 そう言って、女性はカードを回収した後、山札からカードを出す。
 出されたカードは……A!
 嘘……だろ……!?
 俺が出したカードは、Q……。
 なんで、なんで……なんで、俺がQを出すとわかったんだ!?
 頭の中で無数に浮かぶ疑問に、女性はゆっくりと口を開いた。
「甘すぎね……! 全てが甘々! トランプとは、常に相手の2手、3手先を読むものよ……!」
 その言葉に、俺は身震いを覚える。
 コイツは……ヤバい。
 一気に点数が逆転になったどころじゃない。
 対抗策に対する、対抗策があったってことなのかよ……!
 こうなると……。
「クソ!」
 俺は懲りずに山札からカードを出すと、女性も山札からカードを出した。
 俺が出したのはA、相手が出したのは3。
 ……読まれてる!
 今回は勝ったが……これで俺にはAがもう無い。
 それに対して、あっちはAをもう1枚持っている可能性がある。
 まだKだって、2枚ある可能性が……!
 ゾクゾクと、音を立てて背筋が凍る。
 負ける……負ける……負ける!?
「ふふ、清算まで、楽しみにしてることね……!」
 女性のその言葉が、俺には、悪魔の囁きに聞こえた。


 終了後。

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