第五話 DeadWars
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「人の脳より発せられる脳内モルヒネことβエンドルフィンはモルヒネの6.5倍と言われているが。
最早これはそれ以上、SAOにおいて最も極上の贅沢だ」
息を荒くしながら、女性は片手で表情を隠すように顔を覆う。
隠れたその表情の奥では、恍惚の笑みを浮かべていた。
「私は幸せだ! 誰よりも幸せ者だ! このザサーダ! SAOの誰よりも幸せものだ!
だがしかし、幸せとは継続しなければ意味がない。 幸せとは常に苦労して手に入れるものだ。
SAOを買った時もそうだった。 徹夜で並び、大金を出して手に入れた。 結果、私は最高のゲームを手に入れた。
OLだった時の私とは大違いだ。 私は今、人生で、この世で、一番輝いている!」
まるで狂ったように叫び散らす、彼女、ザサーダは、軽い息切れを起こしながら、顔を覆っていた手をどかし、手に持った槍を両手で愛おしそうに抱いた。
「では、継続しよう。 幸せになるための労力。 モンスタープレイヤーキラー、通称MPKを……!」
そう言って、彼女は下準備にかかる。
己の手を汚さず、己を穢さず、合法的に人を殺せる、最悪の殺人方法を。
――――――
5月下旬。
俺達、ディラックは無気力感の中にいた。
5月冒頭のボス討伐戦で、同じく参戦していた軍こと『アインクラッド解放軍』のやつらが大打撃を受けた。
あんまり気に入らないやつばかりだったが、目の前で死なれると、やはりクるものがある。
まぁその後からは普通に犠牲者無しで26層までクリアできたが……。
ウチのギルメンは全員無事だったが、天乃も桜花もここ数日は珍しく大人しい。
レイカにしても最近は宿に篭って食っちゃ寝のニート生活をしてる。
そんなに篭るなら家でも買えばいいのにな……。
あれ10Mくらい出せばそれなりの買えるんだろ。
天乃とレイカが4Mくらい持ってたはずだし、桜花だって2Mくらいあるだろ。
俺? 俺は武器の強化と素材集めで500kくらいしかねぇよ。
いやしかし、金が無いのはまずい。
食材でも集めてどっかで売り払うか……。
それか……。
一人、頼れるやつはいる。
そういうのに詳しいやつが……。
しかしまぁ、仕方ない。
会うために、俺は渋々と町を出てフィールドへと出る。
あとは、ソイツにメッセージを送信するだけだ。
『今来れるか?』っと。
そんなメッセージを飛ばして待つこと2,3分。
ソイツは俺の前に颯爽と姿を現した。
相変わらずオレンジカーソルのその幼女。
「よう! 私に用事とは、よほど金がほしいと見たぜ!」
泥棒こと、玖渚である。
なんだかんだであの後、ギルメンには内緒でフレンド登録をしておいたのだ。
こいつは犯罪者ではあるが、根は
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