暁 〜小説投稿サイト〜
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Epos5八神家の日常〜Pet Capriccio〜
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それなら洗濯機の中に入れ――」
「てんめぇぇぇぇーーーーーーっっ!」
「がはぁぁぁぁっ!?」
フラフラ立ち上がったばかりのルシルの鳩尾に今度はストレートパンチを打ち込んだ。
「ヴィータ、何かあったんか!?」
「すごい声だったけど何か――」
「何でもない! 何でもないから!」
廊下からはやてとシャマルの声が聞こえてきたから慌ててそう返す。2人の気配が遠ざかって行くのを確認。完全に気を失ったルシルを放って、パジャマに着替える。最後にもう1発ルシルの頭を足蹴にしてから、ドライヤーで犬を乾かす。
少し嫌がるから「大人しくしていろ」あたしに最大限の恥をかかせてくれやがったことも含めてギラリと睨む。と、犬は大人しくなった。犬も乾かし終えて、リビングに戻った。そこにははやてとシャマルが居て、「ホンマにソファで寝るん?」はやてがもう一度確認してきてくれた。
「うん。犬と一緒に寝ようかなって」
「それじゃあ今日は私がはやてちゃんと一緒に寝ますね♪」
「そっか。うん、じゃあヴィータ。おやすみな」
「うん。おやすみ、はやて。あとシャマル」
2人がはやての部屋に入って行くのを見送って、あたしはソファに寝転がって用意しておいた布団を被った。床に伏せてた犬を「来い」って呼ぶと、犬は軽やかにソファの上に飛び乗って布団の中に入って来た。超ぬくぬくだ。寒い日ならちょうどいいかもな。
「ん、あ・・・?」
頬に何か当たってるってぇのが判って目を覚ました。目の前いっぱいに犬の顔。犬があたしの頬をペロペロ舐めてた。
「おはよう、犬。・・・はやてとルシルはまだ起きてねぇのか」
時計を見ると、あだ6時だった。はやてやルシルが起きるまであと30分。ふと思い出す。そういやルシル、あの後ちゃんと寝たのか? ソファから起き上がって、脱衣所へ向かう。そこにはまだルシルがぶっ倒れてた。なんつうか「すまねぇ・・・」謝っとこ。
「せっかく早起きしたんだ。散歩行こうぜ、犬♪」
まずは着替えて、犬の散歩に行ってきますってメモを残してから犬を連れて家を出る。いつもはやてと通る散歩コースだ。同じように犬の散歩やジョギングしてる人と「おはよーございます!」って挨拶すると、「はい、おはよう」ちゃんと返してくれて。あたしはこの世界で生きてる、って思えて嬉しいんだ。
犬は首輪やリードが無くてもちゃんとあたしの後を追ってくる。走ってみると、犬も走って追いかけて来る。やっぱ飼いたいなぁコイツ。
「犬っ。このままあたしと一緒に暮らさないか?」
理解できるわけもねぇって思いながらもそんなことを訊くと、あたしの隣を走る犬がワンワンって鳴いた。それは応なのか否なのか判んねぇなぁ。
「・・・ここでお前を拾ったんだよな」
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