暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos5八神家の日常〜Pet Capriccio〜
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洗ってやる。気持ち良いのか大人しくなってあたしに完全に身を委ねた。

「足は汚れやすいから少し多めで。指の隙間も洗うんだ。顔はすぐにシャンプーが落ちるように少なめで」

「あいよ」

「濯ぐときは念入りに。シャンプーが残っていると皮膚トラブルを起こすかもしれないから。顔を濯ぐときは、スポンジに湯を含ませて、ゆっくりしっかりと」

アワアワな犬をシャワーで洗い落として、スポンジを洗面器に溜めた湯に濡らして犬の顔に付いたシャンプーを拭い去る。んで、水気を手で拭って、リンスや保湿剤を馴染ませる、と。ルシルに教えられたことをこなしていく。
湯船の蓋の上に置いておいたタオル数枚でしっかり犬の濡れた体を拭く。そんで浴室でやれることは終わって、「どうすりゃいい、これからは?」あたしは湯船に浸かって、開けてないもう1枚の蓋の上に乗せた犬を撫でる。

「ドライヤーで乾かすんだけど・・・。いま受け取ろうか?」

「馬鹿か! 覗くなっつったろうが!」

「扉の隙間から出せばいいじゃないか。すぐに俺を覗き魔にするの、やめてくれ」

しょうがねぇ。今ルシルの居る洗面所と脱衣所を隔てるカーテンがシャッと開いたのを音と、浴室と脱衣所を隔てるガラス扉越しに見た。湯船から出て体にタオルを巻く。犬を持ち上げて浴室の入り口へ向かって、ガラス扉をちょこっとだけ開ける。
そんで「ほら、行け」って犬をその隙間から出そうとすんだけど、タイル床で踏ん張って出て行こうとしない。なら直接扉の外に出して、ルシルに手渡す方法だ。まず「絶対見んなよ!」念を押して、犬を片手で持って扉の外へ持って行こうとした時。

「のわっ!?」

急に犬が暴れ出した所為で腕がガラス扉に当たって、最悪なことにガラッとスライドした。

「「あ・・・」」

ルシルと目が合う。いや、まだだ。あたしは今タオルを巻いてる。だから何とか耐えられる。けど、ワンって鳴き声と一緒に犬があたしのタオルに噛み付いた。するとどうなるか。ハラリとタオルが落ちた。今のあたしは、体を何も隠していない全裸、素っ裸、すっぽんぽん。そんなあたしの目の前にはルシル。犬は足元であたしの脚にすり寄っている。

「まぁなんだ。犬のしたことだ。俺はヴィータの裸を見たくらいじゃどうとも思わないから。気にす――」

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!」

もう何を言う間もなくルシルの鳩尾に「げふっ!!?」ボディーブローを打ち込んだ。ヨロヨロとしゃがみ込んだルシルを「変態っ、馬鹿、死ねっ!」踏みつける。ふと、気付く。そういやあたしが脱いだ服(あと下着)、慌ててたから洗濯籠に入れてなかったはずなのに床のどこにもねぇ。

「(まさか・・・)おい、ルシル。あたしの脱いだ服、どこにやった?」

「げふっ、げほっ。
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