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Epos5八神家の日常〜Pet Capriccio〜
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・ほどほどにな、ルシル君」

そんな感じで出来上がったチラシを街中に張りに出かけたルシル。正直言えばあんましやってほしくなかったけど、それは我が儘だから言わなかった。
日も暮れて夕ご飯。あたしが用意したご飯を美味そうに食う犬は、何度もあたしを見て尻尾を振っては嬉しそうに鳴いた。夕ご飯の後は、風呂だ。あたしはいつもはやてと一緒に一番風呂で入るけど、今日は犬と一緒だ。風呂に入るのが最後のルシルが出るのを、犬をブラッシングしながら待つ。

「風呂、空いたぞ、ヴィータ」

パジャマを抱えて「おう。行くぞ、犬っ」って呼ぶと、犬はひと鳴きしてあたしの後をついて来た。と、「そうだ。シャンプーの仕方とかあるけど、教えた方が良いか?」ルシルがそんなことを言ってきた。あたしはリビングの入り口で立ち止まって・・・「頼む」ボソッと返す。帰ってきたばかりの時はお湯だけだったしな。
ルシルも一緒に風呂場にまでついて来てもらって、「あたしらが浴室に入るまで脱衣所に入んなよ。覗いたら、許さねぇかんな!」忠告しながら洗面所と脱衣所を隔てるためのカーテンを閉めて服を脱ぐ。

「判ってるよ。別に君を覗くような真似はしないから、安心してくれ」

廊下に居るルシルが呆れかえるような声色でそう返してきた。なんでか「あたしは覗く価値が無ぇってわけか!?」イラッときちまった。そりゃまぁ、シグナムやシャマルに比べりゃガキだけどさ。

「は? なんで怒鳴られるんだ? いいから早く入れ。そうでないと、本当に覗くぞ?」

ガチャっと扉が開いた音が聞こえて「のわっ!?」あたしの服の匂いを嗅いでる犬を抱えて、慌てて浴室に入る。そんで「馬鹿っ! 本気で覗く奴があるか!!」すりガラスの扉越しに居るはずのルシルに怒鳴る。けどルシルの影が見えない。まさか、と思っていたらまたガチャっと扉が開く音がして、「やっと入ったか」って遅れて声が聞こえた。

「てめ・・・!」

廊下に居たまんまだったルシル。さっきの扉を開けた音はフェイクだった。

「準備が出来たら言ってくれ。その都度、仕方を教える」

「む・・・」

問い詰めんのはやめにして、「いつでもいい。教えてくれ」タオルを体に巻いてから風呂椅子に座って、犬用のシャンプーとかスタンバイ。まずは「シャワーの温度は温く、水圧は弱く」ルシルの言う通りにシャワーを調整する。犬がちょっと嫌がる仕草をして鳴いた。

「嫌がる素振りを見せたら、直に当てずに自分の手の甲に当てるなどしてワンクッションを置いてかけるんだ」

なるほど。言う通りにすると確かに嫌がる仕草をやめた。「次は?」って訊くと、「シャンプーをかけて、マッサージするように軽くもみ洗いしてくれ」ってことらしい。ふむふむ。痛がらせないように気を付けながら最大限の手加減をして体を
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