第四話 AUCTION
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M!」
法外な値段であっても、平気で金を出すやつらがうようよいる。
ビジネスとしては非常にいいが、これが中々酷く……。
詐欺も存在している。
基本的にSAOは男性に厳しいシステムで、女性キャラの体を不用意に触ると、女性キャラクターの画面に投獄選択画面が現れる。
そこで女性キャラが認証ボタンを押せば、触ったキャラクターは見事牢獄にぶち込まれるわけだ。
つまり幾ら身売りすると言っても、金を先に渡して、行為の直前に牢獄に飛ばされる、なんてことも平気であるわけだ。
事実そういうことも平気で起きている。
それでも金を出すのは、きっと男の性なのだろう。
先ほど身売りした女性は決して美人ではなかったが、15Mで落札された。
たった一晩で15Mという大金が飛ぶ。
闇市は、あまりにも、常識の外にあった。
もちろん、食材においても、常識外の値段がつくことが多々ある。
食材のみを集めてこういう場で売りさばく者もいるほどだ。
玖渚は己の出品が終わると、こういう場で食材等を入手して食いつないでいるのだ。
そして中には……。
「歌売ります! 俺の歌を聴けってか! 先に歌うんでよかったら金ください!」
こういった愛すべき馬鹿もいる。
もちろん、なんでもありの闇市だからこそ、こういった芸当が出来るのだが。
闇市というと暗いイメージもあるが、実際面白いやつもいるからこそ、お祭り的な感じになって終わる。
「毎度おなじみ壁殴り代行です! 殴る壁がない、筋力が無いというアナタ! ご安心してください、レベル31の私が責任を持ってお好きな階層の街中の壁を殴りまくります!
今ならお値段1kから! いかがでしょうか!」
「よしきた! 10k!」
「よーし、パパ30k出しちゃうぞ!」
オレンジカーソルの玖渚も、こういったグリーンとの交流は決して悪いものではなく。
寧ろ、玖渚にとっては心の在り処で、職業柄、必要不可欠の場所だった。
もちろん、オレンジカーソルとしているのは、泥棒等だけではなく……PKもいるのだが。
それは、その場に居る人間にとっては知る余地もなく、どうでもいいことだった。
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