第四話 AUCTION
[7/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
意権なのか、隣でレイカもどうしていいかわからず、苦笑しながら桜花と幼女の様子を見ている。
しかし、ここで口を出したのが、天乃だ。
「まぁまぁ君。 泥棒ってのはわかったが、それはよくない。 学校で習わなかったかな?
人のモノをとったら罰せられるんだって……」
天乃がそこまで言った瞬間。
幼女は何か操作をしたかと思うと。
天乃の画面に、デュエル申し込み画面が表示された。
「お兄さん、文句垂れるなら、まず勝ってみろよ?」
依然として強気な態度でそう口にする幼女に、天乃は少しだけたじろいだ後。
「……よし、わかった。 負けても泣くなよ?」
素直にデュエルを、受けた。
デュエルの方式はメジャーな初撃決着モード。
大半のデュエルはこの方式となる。
ま、文字通りそれぞれの初撃のダメージ値で勝敗を決するものだが……。
今回は天乃が圧倒的にアドバンテージを得ている。
天乃の武器の激浪の攻撃力の高さは折り紙つきだ。
それに対してあっちの昆は……どうも俺が見たことない武器のようだが。
まぁ、どうせどっかのレアドロップだろう。
有名どころの昆は俺も知ってるし、そうじゃないってことは、マイナーな武器なんだろ。
そう思いながらデュエルの様子を眺める。
「じゃ、初めからキツいの行くぞ!」
天乃がエフェクトを纏ながら幼女へと殴りかかる。
第三者視点で見れば犯罪者極まりないが……まぁゲームだしな。
幼女は、その攻撃を。
「はいはい」
少しだけ避ける動作をした後、わざと、食らった。
「な……!?」
減っていく幼女のHPバーを見ながら、天乃は唖然とする。
恐ろしいことに、HPバーがあまり減っていない。
その一瞬の間、天乃の頭の中では何故こんなにダメージが通らなかったのかという考えがよぎっていたのだろう。
しかし、それが悪かった。
攻撃後、隙だらけの天乃に向かって。
「よっと!」
幼女から、煌くエフェクトと共に昆の一撃が天乃の脳天を襲う!
その瞬間、CRITICAL!の文字と共に天乃のHPが幼女よりも遥かに多く削れた。
直後、幼女の頭上にはWINの文字、天乃にはLoseの情けない文字が浮かんだ。
「マジか……」
天乃は力なくその場に手を着き、絶望感に苛まれているようだった。
……まぁ、そりゃあそうだろう。
まさかあんな幼女、しかもわけわからん昆使いに負けるなんてなぁ……。
「残念だったな! デュエルは技術による頭脳戦だよ、お兄さん? いかにダメージを食らわずに、相手に大きなダメージを当てれるか。
初撃決着モードの基本だぜ」
「ぐぅ……」
情けなく呟く天乃と反対に、幼女は元気よく手に持った昆をバトンのように器用に回すと。
桜花に向けて、その昆の先を向
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ