ターンEX−2 鉄砲水ともう一つの『真紅』
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ますなんでもしますからと、つまりお前はそう言いたいんだな?」
「言いたくない。そもそもお前に拒否権があるはずないからなバーカ」
「………何?」
その含みのある言い方に、何か自分にとってよからぬものを感じ取るユーノ。その後彼が口にした取引の条件は、ユーノの顔色を一発で変えさせるに十分なものだった。
「この取引を受けた場合、今からぶちのめしに行くやつが持ってるお前の相方の魂はお前の好きにさせてやるよ」
「話は聞いてやるからさっさと全部吐け」
悔しさのあまり歯を食いしばりながら声を絞り出す。清明の魂がかかるとあらば断わるなんて選択肢はない、ユーノがこの取引で完全敗北した瞬間であった。それから場所を移すからついて来いと言われ連れ立って歩きながらおおよその話を聞く。なんでも、そのぶちのめしたいデュエリストは元々彼と同じ転生者から転生者狩りになったクチらしいのだが、どうにも暴走気味なうえに仕事が雑で富野とは徹底的に気が合わなかったらしい。
「もちろん、俺はお前の方が嫌いだがな。目くそ鼻くそ程度の違いだが」
「うるせ」
そしてあの日、富野がユーノとのデュエルに負けて帰った日に事件が起きたらしい。
「………あいつがケンカ売ってきてな。負けたんだよ、後攻ワンキルされて」
「ふんふん」
いつものノリでざまーみろ、と言いかけていた自分を慌てて抑えるユーノ。何しろまだ情報が足りなすぎる、不用意な挑発はしないが吉だろう。その思いを知ってか知らずか、彼の話は続く。
………そこまではよかった。そいつの腕が立つことは彼だってわかっていたし、自分の方が弱いという自覚もあったからまだ割り切ることもできた。だが、その後の行動が問題なのだという。
「あの野郎、そこで調子に乗っちまって転生者狩りの仕事を辞めて逃げ出しやがったんだ。それも、かなり最悪な方向にな」
「最悪?俺にしてみりゃお前らは全員こっちが必死に毎日生きてんの邪魔してくる悪趣味野郎の集まりだけどな。あ、俺はもう死んでっけど」
「アホ。俺らは転生者を倒して世界を元に戻した後、そいつの魂はちゃんと元いた世界に返してやってるんだよ。だけどあいつの場合、何をとち狂ったのか仕留めた魂を片っ端から潰し始めてな?」
魂を潰す。つまり、存在の完全な消滅だ。正直これまでが専門的な話しすぎて今一つついていけなかったユーノも、その物騒な響きには眉をピクリと動かした。それを知ってか知らずか、富野の言葉は続く。
「お前なんぞにあんまり詳しいことまでしゃべるつもりはねーから適当にはしょるけどよ、たまたまお前らがラビエルと相打ちになったとこに居合わせたんだろうな。お前の半分のやつの魂が体から抜ける寸前にそれをやつが回収して、その時の反応を見つけた俺が場所を特定してここまで追っかけ
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