第三話 PlayerKiller
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が付与されているのだ。
それを踏まえて考えると、連絡している間にも恐らく銀色の雨は絶え間なく降り続けるだろう。
その間ならば耐えれる自信はあるが、その後、ナイフを抜いている時間で生き残れるかどうかは怪しい。
回復ポーションを使うという選択肢もある。
最悪、移動結晶で逃げる手段もある。
だが、それを相手が許してくれるとは思えない。
アイテムを出している間すら、死は絶え間なく迫ってくるのだから。
サニーはそこで始めて痛感した。
これが決闘ならば、どれだけよかっただろう、と。
ルール無用のフィールドでのPK。
それが、ここまでハードなものだとは、思わなかったからだ。
ホイミを逃がしたのは失敗だったかもしれない。
けど、下手に彼女が狙われるよりはまだ自分が耐えたほうが最善、等と考えたかっこつけが裏目に出ていた。
「くそ……何処だ……何処にいる!? 姿さえ、確認できれば、まだ手の打ちようが……!」
苛立ちを口にしながら、終わらぬナイフを弾き続ける。
ここで彼に残されているのは、ただ、ナイフの雨がやむのを待つだけだ。
一度投擲されたナイフは、回収しない限り、手元に戻ることはない。
サニーが弾いているナイフは耐久値が0になり、消失しているため、二度とPKの手に戻ることはないのだ。
これがSAOで投擲をメインとした投げ使いが極端に少ない理由でもある。
運用が酷くマゾく、動かすだけで大量の金と武器を必要とする。
だからこそ、既に弾いたナイフの数が100を超えていることに、サニーは驚きと、素直に恐怖を感じていた。
いくらナイフと言えど、買えばそれなりの値段はする。
それが100本、単純計算で100k以上はくだらない。
それだけの金を、捨てるような使い方をして、平気でいられるPKの頭は、狂っているのだろう、と考える。
しかしそれは間違いだった。
実は天国に一番近いそれには、考えがあってナイフ『なんか』を投げていたからだ。
(中々やるな……流石攻略組。 在庫処分のナイフだけではいかない、か)
心の中でそう思う天国の扉の言う通り、ただの在庫処分である。
天国の扉は、脅し、詐欺、命乞い等からの投資により、既に大金を得ていた。
その額は既に10Mオーバーに及び、100k程度、どうとでもなかったのだ。
だからこそ、小手調べも、もう終わりに近かった。
在庫がもう終わるその瞬間に。
天国の扉は、すぐに武器を切り替える。
そして、投擲したナイフと共に。
――――単身でサニーに斬りかかった!
「………ッッッ!??」
突如として現れた人影。
さらに槍から伝わる重い感触に、一瞬サニーは戸惑いを覚える。
しかし、その一瞬は。天国の扉にとって、十分すぎる隙だった
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