第四十八話 薔薇園その四
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「あれっ、犬の眉ね」
「狼のね」
狼男はこのことを訂正させた。
「そこは間違えないでね」
「あっ、そうね」
「犬は狼から生まれた生き物だけれどね」
「また違うのよね」
「狼は狼」
狼男はこだわりを見せて話す。
「犬は犬だよ」
「そうだったわね」
「そう、僕は狼だから」
そこは間違えないで欲しいというのだ。
「これは狼の眉なんだよ」
「そうよね」
「犬君達は弟分だよ」
「弟分なのね」
「若しくは妹分か」
どちらにしても狼が兄だというのだ、狼男はこのことについて妙にこだわりを見せて愛実にも聖花にも話すのだった。
そしてだ、さらに話す狼男だった。今度はドラキュラを見ての言葉だ。
「それに僕達狼男はね」
「吸血鬼の眷属でもある」
「そうなんだ」
ドラキュラに応えながら二人に話す。
「親戚なんだよ」
「配下ではないがな」
「吸血鬼さんの方が本家筋なんだよ」
「そうだ、狼男君は分家筋でな」
「そこは結構複雑なところがあるんだよ」
こう二人に話すのだった。
「何かとね」
「ふうん、そうなのね」
「狼男さんってドラキュラさんと関係あるのね」
二人も狼男の話を聞いて納得した顔で頷いた。
「けれどアンデットではない」
「死んではいないのね」
「吸血鬼といってもアンデットとは限らない」
今度はドラキュラが話した。
「私は死者だがな」
「そういえば首が飛ぶろくろ首は吸血鬼だっていうし」
「他にも」
「そうだ、吸血鬼といっても様々だ」
本当にアンデットとは限らないというのだ。
「そこはな」
「そうなのね」
「普通に違うのね」
「そうだ、違う」
こう話すドラキュラだった。
「色々な国に色々な吸血鬼がいるのだ」
「ううん、吸血鬼イコール死者じゃない」
「勉強になるわね」
「妖怪のことは日本では民俗学になるな」
フランケンはインテリめいた口調で言って来た。
「西洋ではまた違うが」
「ええと、じゃあどうなるの?」
「どういった分野になるの?西洋だと」
「悪魔学になるだろうか」
フランケンはこう二人に話した。
「その本流にあたる神学か」
「悪魔のことに関わるから?」
「そうなるの?」
「神と悪魔は表裏一体だ」
ここでこう話すフランケンだった。
「だから神学と悪魔学もだ」
「表裏一体なのね」
「悪魔学は神学と関係が深いのね」
二人はこのことも知った。
「じゃあ西洋の妖怪は悪魔と関係が深いから?」
「悪魔学になるの」
「妖精学と言ってもいいだろうか」
フランケンはこの学問の名前も出した。
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