TURN108 トライアスロンその十
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「普通に凄いじゃない」
「そうかのう」
「ええ、あたしも爺さんみたいな歳で完走出来るかしら」
「しようと思えば出来るぞ」
「どうだかね、これでも結構歳だからね」
「そもそも御前さん幾つじゃ」
「レディーに年齢聞くの?」
このことはくすりと笑って返す、余裕を見せることも忘れない。
「ちょっと無粋じゃないかしら、爺さんにしては」
「おっと、これは失敬」
「でしょ?まあとにかく私も歳だから」
だからだというのだ。
「完走がやっとになったけれど」
「わしの歳になるまで完走出来る様にするか」
「そうするわ、後ね」
「後、どうしたのじゃ」
「そろそろ身を固めないとね」
今度はこう言うのだった、体を起こして立ち上がって出した言葉だ。
「もうね」
「ではわしはどうじゃ?」
山本はここでも悪戯っぽい笑みでハニートラップに言った。
「実はわしも独り身なのじゃよ」
「えっ、爺さん独身だったの」
「そうじゃ、知らんかったか」
「初耳よ、っていうか爺さんには古賀さんがいるじゃない」
だからだというのだ。
「私が入る幕はないわよ」
「では今のプロポーズはか」
「悪いけれどね」
ハニートラップも今は軽く笑って返した。
「断るわ」
「そうか、それは残念じゃな」
「まあとにかく、トライアスロンはね」
顔の汗をタオルで拭く、見れば爽やかな笑顔になっている。
「出来るだけ長く完走出来る様にしたいわね」
「うむ、頑張るのじゃ」
「そうするわ」
こう言ってシャワーを浴びに向かう、ハニートラップも完走して爽やかな気持ちで闘技場を後に出来たのだった。
トライアスロンの結果スカーレットも参戦となった、そのうえで。
東郷は御前会議の場でこう帝に言った。
「これよりです」
「はい、いよいよですね」
「モスクワ攻略にかかります」
ソビエトの首都のその星域を攻めるというのだ。
「そうします」
「ではソビエトとの戦いも」
攻略したならというのだ。
「かなり有利になりますね」
「終わらないにしましても」
ソビエトがまだ抵抗することは十分に考えられた、カテーリンは勝つまで止めない娘であることは容易に想像がつくことだった。
「敵の首都を抑えます」
「それならですね」
「以後の戦いを極めて有利に進められます」
「それにです」
今度は日本が帝に言う、東郷の提案を補足する形でだ。
「モスクワでの戦いは決戦になりますが」
「それ故にですか」
「はい、ソビエト軍はその戦力の殆どを投入してきます」
そうしてくるからだというのだ。
「その彼等を倒せば以後ソビエト軍には戦力がなくなります」
「つまりモスクワで勝てば」
「決まります」
決定的にだというのだ。
「そうなります」
「で
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