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ヘタリア大帝国
TURN108 トライアスロンその九

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「それでよかったらね」
「また三人一緒に暮らせるの?」
 真希は父の手を握りながら母を見上げて問うた。
「そうなれるの?」
「ええ、これからはいつもね」
 その娘に微笑んで答える。
「お母さんが真希の御飯を作るわ」
「うん、じゃあね」
「長い間留守にしていて悪かったけれど」
「それもだな」
「ええ、終わりよ」
 東郷に顔を向けてこうも答えた。
「また宜しくね」
「こちらこそな」
「それで私の所属だけれど」 
 早速だった、スカーレットは戦争の話をはじめた。
「私はあなたの妻だから」
「日本軍になるな」
「そうね、国籍もそうだから」
 東郷と結婚して国籍も変わった、それでだというのだ。
「日本軍ね」
「艦隊の一つを任せたいがいいだろうか」
「ええ、わかったわ」
 東郷の言葉に微笑んで返す。
「それではね」
「これからはそちらでも宜しく頼む」
 こうしてだった、スカーレットは共有主義から解放されそのうえで日本軍に加わることになった、トライアスロンは最高の結末を迎えることが出来た。
 どの参加者も完走出来た、その中で。
 ハニートラップは終わった後で肩で息をしてグラウンドで両手両足をついていた、そしてこう言っていた。
「もうね、本当にね」
「歳だというのじゃな」
「そうよ、次は完走出来ないかもね」
 こう山本に言う。
「流石にね」
「タイムもよかったぞ」
「それでも参加者の中で最下位よ」
 だからだというのだ。
「それじゃあね」
「いや、参加することに意義がある」
 山本はこのよく言われている言葉を出した。
「そしてじゃ」
「正々堂々とスポーツをすることがっていうのね」
「それがよいのではないか」
「じゃあ機会があればまたっていうのね」
「うむ、やってみればいい」
 こうハニートラップに言うのだ。
「わしもまたやるぞ」
「そういえば爺さんも完走したわね」
「何とかな」
「昔は爺さんが優勝の常連だったって聞いたけれど」
「ほう、誰から聞いたのかのう」
「日本さんの妹さんからよ」
 彼女から聞いた話だというのだ。
「あの人からね」
「妹さんからじゃったか」
「ええ、昔は凄かったってね」 
「ははは、昔の話じゃよ」
 山本は陽気に笑ってこのことについて答えた。
「最早な」
「そう言っても今だって完走してるし」
 六十五をとうに超えた今でもだというのだ。
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