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ヘタリア大帝国
TURN108 トライアスロンその一
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                  TURN108  トライアスロン
 競技の開催委員会は用意されたテントに置かれていた、帝はその審査委員長席において副委員長である柴神に問うていた。帝は白いジャージで柴神は黒のそれだ。
「今回優勝候補はどなたでしょうか」
「そうだな、何人かいるがな」
 柴神は帝の問いに考える顔で答えた。
「海軍長官もそうだ」
「東郷さんもですね」
「あと陸軍長官もだ」
「あの娘は凄いですからな」
「只でさえ身体能力が凄いうえに日々の鍛錬を欠かしていない」
 山下はただ才があるだけではない、そこに努力を重ねる者なのだ。
「太平洋一の武芸者でもあるからな」
「水泳も得意ですからね」
「水術も免許皆伝だ」
 武芸十八般に秀でているのは伊達ではない。
「走ることも自転車もだ」
「どれもですね」
「見事だ、だがだ」
「だが?」
「優勝候補は多い、ランス殿もかなりだ」
 彼もただの女好きではない、鬼畜でも何でも勇者に相応しいものはあるのだ。
「身体能力はな」
「凄いですね」
「私は参加出来ないですが」
 見ればテントの中にはシィルもいる、当然馬の姿のままだ。
「今は馬ですから」
「うむ、残念だがな」
「ただ、ランス様の身体能力はかなりなので」
 このことは間違いないというのだ。
「本気を出されれば」
「その時はか」
「優勝も夢ではありません」
 こう柴神達に話す。
「あくまで本気を出された場合ですが」
「本気みたいですよ」 
 帝は選手達の方を見てシィルに答えた。
「どうやら」
「そうみたいですね」
「どうやら優勝の賞金で」
 それも出ている、競技にはつきものだ。
「何かお考えですね」
「多分可愛い女の子のお店に行かれることを考えておられます」
 その賞金でだと、シィルは己の予想を述べる。
「その様に」
「そうなんですか」
「メイド喫茶でしょうか」
 日本から今や太平洋中に広まろうとしている文化である。
「ランス様最近そちらに凝っておられるので」
「メイド喫茶にですか」
「はい」
 まさにそれにだというのだ。
「ランス様らしいですが」
「それでも本気なのですね」
「今のあの人は凄いですよ」
 ランスも今はやってくれるというのだ、彼は緑のジャージでストレッチをしながらそのうえでモンゴルに対して言っていた。
「やるか、今日は」
「頑張るんだね」
「やるぜ、それで賞金でメイド喫茶貸切だ」
 如何にも好色そうな顔で言う。
「祖国さんも招待するからな」
「オルドだね」
「そうだよ、まさにオルドだよ」
 メイド達を置いたそれだというのだ。
「楽しみにしておいてくれな、二人で楽しもうな」
「ランスって男に冷たいんじゃなかったの?」
 モン
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