第130話
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返す。
「まぁ、つまりオレが言いたいのは、早い事堕天使メイド服で御奉仕しないと、するタイミングが逃してしまうぜい。」
「ぶっ!?」
突然の不意打ちに神裂は慌てた声で抗議する。
「あ、あなたと言う人は!!」
「にゃははは、堕天使メイド服が欲しかったらいつでも連絡してくれてもいいぜい。
すぐに届けに行くからにゃー。」
「誰が借りるか!!」
と、全力で受話器をフックに置いた。
バチカン、聖ピエトロ大聖堂。
ローマ正教の総本山たる世界最大の聖堂に、その静謐な空気を荒々しく引き裂くような足音が響く。
闇に包まれ聖堂を歩くのは二人の男女だ。
ステンドグラスから差し込む月明かりはあまりに弱く、二人の細部は分からない。
浮かぶのはシルエット。
一人は老人らしき、腰の曲がった男のもの。
そしてもう一人は若い女性らしき、メリハリのある人影だった。
その女性は男に向かって一枚の用紙を突き出す。
「これに目を通してサインしなさい。」
男はその用紙を黙って受け取り、その内容を確かめ、男は女性に視線を向ける。
「これは・・・・」
「内容が分かったのなら、陽が昇る前にやりなさいよ。
アンタのサインには力があるんだから。
自分の名前を書くコトぐらいすぐに終わるでしょ。」
「それがローマ正教に対する口のきき方か。」
教皇と呼ばれた老人は再び、用紙に視線を落とす。
「しかし、この内容。
お前達だけでいけるのか?
報告によれば、かなりの能力を有していると聞いたが。」
「それに関してはご安心ください。」
声はその女性の後ろから聞こえた。
老人は後ろに視線を向けると、全身赤いローブを身に纏った人物が立っていた。
この聖ピエトロ大聖堂には何重もの結界などの魔術が施されている。
おそらく、それは世界の教会の中でもトップに入るだろう。
それをこの人物は一つも引っ掛かる事なく、此処にやってきたのだ。
老人は、その人物に疑いの視線を向ける。
「その者は?」
「協力者よ。
例の人物を殺すのを手伝ってくれるらしいの。
少し手合わせしたけど、中々見込みあるわよ。」
「『神の右席』からそのようなお言葉を貰えるとは、恐縮です。」
「そういう事で、準備は万端。
後はあんたのサインだけよ。」
老人は少しだけ間を開け、小さく頷いた。
「よろしい♪」
告げると、女性のシルエットとその人物は闇に消えた。
老人は本能が警報を鳴らしていた。
あの人物は危険だと。
だが、それが分かっていても止める事はできない。
(もしかして、私は悪魔の所業に手を貸してしまうのかもしれないな。)
そう思
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