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蘇生してチート手に入れたのに執事になりました
握手は必ず右手
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面に転がるSP二人までもが、
「・・・凍ってる・・・?」
そう、凍ってた。完璧に。水色の水晶に閉じ込められている姿だ。
「うぉおおおおおぉぉぉッ!」
だが、宏助達も最早、炎やら風やら、光やらを出す死神は見てきた。
今更、動揺するわけにもいかず、宏助は、素早く、後ろに回り込んで、攻撃する。
単純な真っ直ぐでいて破壊力のある宏助の拳が数秒後には、
「ウワあああああっ!」
「・・・だから黙ってろって。」
またもや凍っていた。
「一応、名乗るのを忘れたが、私は、死神戦闘部隊総隊長、《氷鎌》(れいひょう)零だ。この鎌は周りのものを瞬時に凍らせる
ほどの冷気を出すほどの優れものだ。」
したり顔で腕が凍った宏助を見下ろす。宏助は腕を凍らされ、うずくまっていた。
「・・・・・。」
SP達の間に絶望が走る。冷気とはこれまた厄介なものが出てきた。しかも明らかに、真よりも強そうだ。
「とりあえずコイツの処分はこうするとして・・・、」
と言いながら、先程から腕に抱えていた真を氷で作った剣のようなもので、
「いやぁあああああああっつ!」
容赦なく刺した。
そして、宏助も、
「お前もだ、ほれ。」
「・・・・んんんぐわぁあああああっつ!」
容赦なく刺された。
「宏助さんっつ!」
「なんだこれッ!刺し口からドンドン凍ってく・・・・・」
自分の身体の中にある異物の感触。
そこからじわじわと広がる氷の感触。
同じように、身体全体が氷に包まれていった真が宏助の傍に置かれ、
「・・・・あか・・さん・・・」
宏助の顔・・・身体全体・・・視界が、氷に覆われていった。

闘わなければ。
一心に麗はそう思った。奴らの狙いは全員抹殺。このままじゃ全員殺される。
しかし、状況は最悪だった。
相手は、人外で、しかも今までの死神の中で一番強いらしい。
頼みの綱の宏助は氷づけにされ、SPも既に五名程度が同じ状態だ。
そして、なにより・・・、
(真・・・・。)
真も氷づけのままだ、しかも宏助と同じく刺されている。正直、あと少しで死ぬかもしれない。
「麗・・・。」
ふと気付くと、明が不安そうに麗の肩を持つ。
そうだ、明の命だってかかっているのだ。彼女だって、宏助の命が心配なはずだ。
そう思うと、身が自然と引き締まる。
「全員配置についてッ!死神を向かえうちますよ!」
だから麗は毅然と指示を出し、あちらにいる死神を強く睨んだ。

「うわああああああ!」
「氷点下ッ!」
「ぐうううううううッ!」
「撃て、撃て、撃ちまくれ〜ツ!」
「凍ってく!弾丸も、武器も!」
「負傷者は後ろで、明様の警護!」
「みなさん!がんばってくださいッ!」
「無駄ああああああああ!」
皆の悲鳴、麗の指示出し、明の応援が聞こえる。
(聞こえる
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