暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep16大事な日〜Fate & Alf〜
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して、たぶん今回の本題を切り出してきた。リンディ提督は咳払いひとつと居住まいを正して、真っすぐ私を見て「お母さんのこと、今はどう思ってる?」そう聞いてきた。そのストレートな質問に戸惑うけど、今の自分の気持ちを正直に伝える。
「そうですね、少し時間が経って、ようやく気持ちも落ち着いてきました。裁判を受けている途中に、母さんの辛い過去のことなどいろいろと判ってきましたし。初めはやっぱり混乱しましたけど、今ではもう、自分でも不思議なくらいに恨む気持ちとか裏切られてたんだなって気持ちはないです。あの
母
(
ヒト
)
にとっては、私はどこまで行っても単なる実験の失敗結果でしかなくて、使えないお人形だったんだなって」
「・・・っ! 待てフェイト! それは自虐――」
私のその言葉に、ルシルが怒鳴って止めてきた。けど「待ってルシル!」私はそれを遮る。
「フェイト・・・?」
「ううん。これは違うよ、ルシル。いま言ったことは自虐的な意味じゃないから」
私は本当に自虐的な意味じゃないと思ってる。
「リンディ提督、ルシル。今のはその厳然たる事実というか、言葉通りの意味としてのことだから」
ルシルは座り直して溜息を吐いた。ごめんね、嫌な思いさせちゃってるかも。だけど、今は聞いてほしいんだ。いま言っていること全てが、私が考えた末に導きだした思いなんだってことを。
「あの
母
(
ヒト
)
は自分の大切な子に、アリシアに戻ってきてほしかっただけなんだと・・・。本当にただそれだけだった。だからこそ解かっていたんだと思います。作り物じゃ代わりにはならないって。アリシアにそっくりなのに、ちっともアリシアじゃない私。アリシアが失くしてしまった命を生きている私。母さんはきっと思っていたんです。どうしてアリシアが戻ってこなくて、失敗作の私が生きているのって」
リンディ提督は「酷い話ね」そう返してくれたけど、ルシルは全然喋らなくなってしまった。ずっと俯いたままで何かを考えているような、何かを耐えているようなそんな感じだった。
「私は母さんのことが本当に好きだったし尊敬もしてた。だけど、それはアリシアの記憶を頼りに私が思いこん――」
「違う」
「・・・ルシル?」
「違う、そうじゃない。確かにアリシアの記憶に因るかもしれないけど、その思いだけはフェイトの心だと俺は思っている。前にも言ったかもしれないけど、フェイトはアリシアの代替物じゃない。君は確かにプレシアの娘で、アリシアの妹だ。だからもうそんなことを考えないでくれ、頼む」
「ルシル、でも私は・・・」
「そうね、私もルシリオン君と同じ意見だわ。あなたは決して人形じゃなくて、今を生きる1人の女の子よ」
ルシルの意見にリンディ提督も賛同してきた。私は2人のその言葉をきちん
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