第2部:学祭1日目
第7話『再会』
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ロとたまっていた。
「はっはっはっは! こうしてみると宮崎駿ってタイトルに力入れてるよなあ」
「そうですね。まあ、だから世界的に有名になるんでしょうけど」
律と世界が特に盛り上がり、笑いあっている。
「ムギさん、古今東西ゲーム、上手いじゃないですか」
「そうですか? でも私、あまりやったことないんです」
「ま、そのうち慣れるでしょう」
最初はぎこちなかったムギと七海も、ゲームが進み、自然体で会話している。
余りにうまくいきすぎて、周りを寄せ付けないほどだ。
その様子を、微笑しながら眺める刹那。
だが、梓はいたたまれない。
言ってはいけないことを、ついに口を滑らせてしまった。
「いったい何なんですか……?
伊藤って何なんですか!? 桂って何なんですか!?」
「梓……!」
「梓ちゃん……!?」
「「中野……!」」
「「中野さん……!」」
梓は『しまった』と思ったが、すぐに気を取り直して、隣の刹那に
「いったい何なの……。どんな人なの、伊藤も桂も……。清浦、学級委員の貴方ならわかるでしょ……」
「? 何で急に伊藤と桂さんが出てくるのか、分からないけれど」
刹那は、表情を変えずにしらばっくれる。
「何言ってるんですか、榊野でも噂になっているんじゃないんですか?
唯先輩が伊藤とラブラブの仲って。
伊藤は西園寺と付き合っているし、桂ともいい仲なのに唯先輩に近づいてるって!
それって、……浮気……ですよね……」
急に淀んだ雰囲気が、場を覆ってしまう。
梓はそれを悟りながらも、もう後戻りできないと思い、
「清浦、ちょっとこっちに来て」
刹那の腕を引っ張り、廊下へ行ってしまった。
「実はね……」
2人きりになってから、梓は刹那に懇願した。
「唯先輩と澪先輩を探してほしいの!!」
「唯先輩って……平沢さんのこと……?」
刹那は表情を変えずに答えた。
「唯先輩も澪先輩も、多分伊藤や桂を探していると思うんだ。2人とも、あの2人が好きみたいだし。」
「やっぱり、そう?」
刹那の目が、ふっと真剣になる。
「でも、伊藤も桂も、なんか悪い噂の絶えない人たちみたいで・・……とりあえず、唯先輩や澪先輩を捕まえて、とっとと帰るつもり」
「なんで? せっかく今、仲良くなりかけてるのに?」
「だから嫌なのよ!」梓は大声を上げた。「もう、あいつらとは関わりたくない。
あいつらに会ってから、唯先輩も澪先輩もおかしくなった……。
ほとんど唯先輩は伊藤の、澪先輩は桂のことしか考えなくなって、あいつらのことばかり気にかけるようになって……。
それまでは、うちの軽音部は平和だったのに、ぐだぐだやりながら仲良くやってきたのに……それが全部壊れそうなのよ。
伊藤や、桂のせいで」
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