第2部:学祭1日目
第7話『再会』
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ッドの下に、『あるもの』が入った箱を見つけ……。
それを1つ、上着のポケットにねじ込んだ。
泰介はバツが悪そうに話を続ける。
「直前に止められてさ。桜ヶ丘の、桂さんとよく似た子に……」
「桜ケ丘? 言葉によく似た?」
「お前も見ただろ、喫茶店で。放課後ティータイムの黒髪ロングの子。」
「それって……澪ちゃん?」
唯が口を挟んできた。
「あ……そうですよ。挙句俺の大事なところけり上げて……」
成程、いいところ狙ったもんだな。誠はちらと思った。
「おい泰介、」誠は声を張り上げ、「言葉を見てりゃ分かるだろ、あいつはいつも俺のことを気にしてるって、それをお前は強引に……!」
「そうよ、それを貴方は……!」
唯が同調してきた。
「あのさあ、1対2ってつらいんですけどお……」
「ったく……」誠はため息をついて、「それで、その人と言葉は今どこに?」
「わかんないよ……すぐ行っちゃったし。」
「澪ちゃんからメールが来てるといいんだけど……」
ふと、唯と誠の携帯から、音のない振動が伝わってきた。2人とも、とってみる。
『ごめんなさい、心配かけて。
実は今、桜ヶ丘の秋山さんと一緒に、屋上にいます。
待ってますね。
言葉』
『悪いが、ちょっと桂と話がしたい。
どこかでゆっくりしててくれ。
澪』
「言葉……」
「澪ちゃん……」
2人の声が重なった。
「「あ……」」
「どうやらお二人にとっても、深い仲のようですなあ」
泰介がチクリと皮肉った。
誠はそれを無視して、
「とりあえず、行こう」
「え、ちょっと……」
なぜか唯は乗り気でない。
「あー、ちょっと平沢さん、」泰介は起き上がりながら唯の肩に触れ、「せっかくだから俺とつきあわね? 誠には西園寺が……」
「付き合うわけ、ないでしょっ!!」
唯は思わずカッとなり、泰介の股間をけり上げた。
「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
奇声を上げて泰介は、再び床をごろごろと転がった。
誠は呆れてものも言えず、休憩室を後にした。
セットをできる限り元に戻し、進んでいく誠。
が、目の前に唯が大の字になって行方をふさぐ。
「だめ!」
「ど、どうして……」
戸惑う誠。
「今、桂さんのところに行ったら……伊藤君、そのままな気がするから……」
指をつつきながら、唯は小声になる。
「そのまま? 訳わからないこと言わないでくださいよ。さっきはあんなに言葉のこと心配していたのに」
「それは、桂さんに何かあったからと思ったから・・・無事な状態で会ったなら、伊藤君、そのままのような気がしてならない……」
「……?」
「桂さんのところへ、行っちゃダメ」
「……」
「ダメ」
唯の細やかな手が、誠の
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