暁 〜小説投稿サイト〜
Cross Ballade
第2部:学祭1日目
第7話『再会』
[6/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に、七海も落ち着き、
「よ、よろしく琴吹さん……。お手柔らかに頼みます……」
 小さく言った。


「ええと、西園寺世界さんに、清浦刹那さん、甘露寺七海さんに、黒田光さん……」
 梓は必死に、ファンクラブメンバーの顔と名前を一致させようとする。
「別に無理しなくていいよ。案外顔と名前って一致しにくいし」
「世界が言うと嫌味よ」光は言ってから、「とりあえず、中野さんだっけ。どこか落ち着ける場所で、ゆっくり話さない?」
「……正直、私達も、じっくり話したいと思ってました。」梓達は、世界が誠争奪戦の当事者の1人であることを知っている。「正直、大事なことです」
「まあまあ待て待て。梓、あのことは忘れよう」律が小声で言って、「色々と西園寺達の趣味とか聞きたいしよ。ざっくばらんに話そうぜ」
「ふふふ、私もですよ、田井中さん」世界は笑って、「とはいってもファンクラブの受付をしているから、動くこともできないですかね」
「ま、とりあえず古今東西ゲームでもやろうぜ」
 律はノリのままに、発案した。
「ん? ファンクラブの呼び込みとか、しなくていいの?」
「彼氏を探しているなら、私たちも協力しますよ。」
 すでに彼氏のいる七海と世界が、ポカンとしつつ尋ねた。
「あー……どうしようかな……」
 律も思わず、思いとどまってしまうが、
「私は、女水入らずのほうがいいですよ。皆さんもそうでしょ? もちろん、りっちゃんの彼氏は紹介してくれるとありがたいですが」
 ムギが前に出てきて、話を元に戻す。
「それもそうね。やっぱり男が入ると、なんか話が合わないし」光は早速のってきた。「今だけしか水入らずは楽しめないわよ。古今東西ゲーム、やろうよ」
「やるか!」
「やろうやろう!」
 みながはしゃぐ間、梓は律に、
「伊藤や桂のことに関して、聞かなくていいんですか?」
「何言ってんだよ、私たちの入るところじゃねえだろう。あいつらで解決すべき話さ」
「でも、ひょっとしたら取り返しのつかないことに……」
「大丈夫だってば。」
 律はなんとかなだめて、「やろうぜ!」と声をかける。
 浮かない顔の梓を、刹那は冷静な目で見ていた。


 お化け屋敷に入り込み、唯も誠も、思わず息をのんだ。
 セットがぐちゃぐちゃになり、『冷たい手』や『傘お化け』が、無様な格好で倒れている。
 それをかき分けかき分け進むと、薄暗い部屋に、保健室のベッドが一式。
 その横で、泰介がなぜか股間を抑えながらうずくまっている。
 ヘアスプレーの残り香が、まだ残っている。
「泰介!?」
 誠は思わず駆け寄る。
「あ……誠かあ……」
「言葉が来ているはずだけど、今どこに……まさかお前……?」
「いやあ、ほんの冗談のつもりだったんだけどさ。」
 その間、唯はベ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ