暁 〜小説投稿サイト〜
Cross Ballade
第2部:学祭1日目
第7話『再会』
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ー、童貞卒業の場所がぐちゃぐちゃじゃないか……」
 目を丸くする律に、
「この分だと、先生にもばれたかな」
 呟く七海。
「こそこそやってたのね……」
 ムギは引きつり笑いをしながら言った。
「あなたたちにも彼氏を紹介して、使わせたいと思ってたんだよ、あの休憩所」
 七海は一応のフォローをする。
「その、私は、甘露寺さんと……」
 ムギはいいかけて、律に口をふさがれ、
「い、いや、心遣いサンキュー」
「……とりあえず、私達で直すしかないわね」
 世界が真っ先にセットを修復していく。
 一部分は、誰かが修復したように直っているが。
「あ、律先輩!! こんちはー」
 声がしたので、そちらのほうを向くと、純。
「おっす、純、どうした?」
「見たの、見た見た! 唯先輩がオトコをつれて廊下を走ってる姿」
「え、お、男……」
 梓が口にしわを寄せて答える。
「私もメロメロになるほどのイケメンだったんだけどね、唯先輩のオトコ」純は頬を紅潮させて、早口でしゃべる。「唯先輩、特上の彼氏を手に入れただけじゃなくて、すごいんですよ!! 自分からキスしてたのよ。ぶちゅーって!!」
「『ぶちゅー』はやめい」律は苦笑いしながら、「ひょっとして、伊藤にか?」
「伊藤……そうそう、伊藤って人に。唯先輩って積極的ですねー!! 絶対モテるわよ。
ひょっとしたらあの人とロストバージンしたとか? あははは!!」
 ベラベラベラベラしゃべる純。放課後ティータイムの3人はどんどん顔が青ざめていく。
「……唯の奴、そこまでいったのかよ……」
「手、早すぎじゃない」
「そんなことありえませんっ!!」梓が怒鳴り散らす。「唯先輩に、唯先輩に限って……」
 世界と友人たちの空気も、かなり淀んでいることに感づいた結果。
「誠、まさか……。光の言っていた通り……」
「……あいつ……」
「やっぱり、浮気してたのね。一発殴ってやらないと、だめかねえ」
 いきり立つ3人の中で、刹那だけが冷静。
 世界は、ふいと思い立ったかのように、
「ちょっと、屋上行ってくる」
そういって駆け出してしまった。
「これも、一種の奇縁かねえ……」律は呟いてから、「ちょっと西園寺の様子、見てくる」
「り、律先輩まで!?」
「深入りはしねえよ。西園寺の様子を見るだけさ」
 律は、世界の後を追っかけた。
「どうしたのかしらね、律先輩も。憂もどこ行ったんだか」
 つぶやく純。
「なんだなんだ」
 休憩室の奥から出てきたのは、泰介。
「澤永、どうした?」
「平沢さんと誠に怒られたんだよ。桂さんが俺に気があるって、嘘ついたな、甘露寺。」
「い、いやあ……すまないね……」
「大丈夫だよ、澤永には私が……」
 にっこり笑う光に気づかず、泰介は小声で放課後ティータ
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