第2部:学祭1日目
第7話『再会』
[12/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
の奴、本当に伊藤を好きみたいだしよ」
「うわっちゃー!」七海はこめかみを押さえつつ、「やべえよ、それ……」
「伊藤、どんな奴なんだ?」
「早い話が、カイショウナシ。優柔不断」
「……そう……?」
ムギは唖然となる。
「世界の彼氏だというに、桂とかに目移りしやすいしよお……」
「まあ、」律が口をはさむ。「桂に関しても、あまりいい噂を聞かないなあ」
「あいつは男受けばかり良くて、最低だからね。私はあいつと中学でも同級生だったんだけどさ、女子みんなに嫌われ無視されてたようなフェロモン女なんだから」
「ねえ、」七海の横から、光が顔を出し、「何とかムギさんや田井中さん達も、私たちに協力できない。平沢さんや桂さんが、伊藤に近づかないように」
「それは……」
「私見たけど、いっつも伊藤は平沢さんのことで鼻の下を伸ばしているのよ。なんとかあいつに、もうちょっと節操をもってもらうようにしないと。殴ってもかまわないわよ」
「そう言われても……。私、そういう強引な行動は苦手ですし……。」いつも笑顔のムギが、暗い表情になる。「肝心の西園寺さんは、どうしたいのですか?」
世界もうつむき、
「それは……その……」
「もうちょっと強硬手段に出るべきだよ、世界!!」
七海が世界に叱咤する。
「私だってそのつもりだったよ、七海。でも、かえって逆効果だったじゃない……」
「おいおいおい……」律はもはや、呆れてしまった。「伊藤がそんな奴なら、とっとと別れて、別の男見つけりゃいいじゃねえかよ」
「ううん、」世界は首を振って、「誠は、本当はそんな人じゃないから。いい奴だから、ずっとそばにいたいと思ってる。
普段は豆板醤チキンおごってくれたり、リラックマのぬいぐるみをくれたり、すっごい優しい人なんだから……」
「はあ……」
やがて、梓と刹那が戻ってきた。
「とりあえず、」刹那は落ち着いた表情で、「中野はちゃんと宥めたから。話題変えよう」
「そうはいかねえよ」七海は焦りを隠さない。「大体、平沢さんは放課後ティータイムのメンバーなんだし、当事者なんだぜ。あなたたちも、何か知ってるでしょ」
「私たちは知らないです」ムギは答える。「全部唯ちゃんや澪ちゃんの問題。あの2人が幸せなら、それでいいって思ってたし」
「知らないわけないでしょ! それにあいつらにとってはよくても、こっちは迷惑なんだしさ!!」
「落ち着いて!!」
刹那が声を強めた。
「とりあえず、西園寺」大きく息をして、律が世界に、話を振った。「もうこうなったら、腹切って話すしかねえな。話し合おうじゃねえか」
「腹割って、です」
今度は、律が世界の腕を掴んで、その場を離れる。
だれも止める者はなかった。
「甘露寺さん……」
ムギが口を開く。
「ムギさん?」
「私、甘
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ