第2部:学祭1日目
第7話『再会』
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ー太を心配する唯に、梓が突っ込む。
「3組の学級委員さんが、わざわざ生徒会まで回したそうね」
「ライブ会場も生徒会本部も中庭……利口だな。」
話し合う他の面々を気に掛けず、ギー太のネックに唯は顔をすりつけている。
「それにしても澪の奴、いつまでトイレ行ってるんだ? しかもこれで今日20回目のトイレだぞ」
律が毒づくと、澪が戻ってきて、
「トイレ多くなるのも無理ないだろ! あれだけ客が来てるんだからさあ!!」
「ねえねえ!」さわ子が例のごとくはしゃぎ始めた。「今回バニーで演奏しないの? せっかく特注で作ったのに」
「いや、普通でいいってば……」
唯は隙を見て、楽屋の幕の合間から客席を見てみた。
桜ケ丘から榊野の生徒まで、エノキタケのようにびっしりと客が来ていた。
……!
誠と、目があった。
「マコちゃん……。」
世界と腕を、組んでいるが。
「唯、行くぞ!!」
律に呼び出され、唯はステージへと向かう。
「みなさん、こんにちは! 放課後ティータイムこと、桜ヶ丘軽音部です!!」
唯は中央部で、大声を上げた。
ライブは無事終了。客席の皆も、中庭を後にしていた。
「言葉……。いなかったな……。」
世界に聞こえないように、誠は独りごちる。
「いやあ、よかったねー!! 放課後ティータイムのライブ!!」
大きく伸びをしながら、世界は言った。
「まあまあ、かな。」
誠はうつむき加減に、微笑んで答える。
「誠……?」
「いや、正直、X JAPANのようなバラードがあるともっとよかったんだけどね。Tearsみたいな」
「ふふふ、そうかもねえ。でも私は逆かな。もっとKARAの曲のようなノリがほしいな」
「はは、好きだなあ世界も」
中庭から校舎に入る。
泰介がいそいそと、目の前を通り過ぎた。
「泰介?」
声をかけるが、泰介は聞こえなかったようであった。
何かあるのか。
「そう言えば、放課後ティータイム、ファンクラブがあるみたいよ」
「はあ・・・加入したい人、いるのかなあ」
「まあ、たぶん生徒交流促進のための代物なんでしょうね。でも私は加入したいな。さっそく手続きしようよ」
悪い、というわけではないが、何となくファンクラブ入りも恥ずかしい。
教員室の横を通り過ぎ、階段を下りていく。
教員室前の桜ヶ丘奇術部ファンクラブには、押すな押すなと行列ができている。
「世界、ちょっとトイレ行って、いいかな……?」
「違いますっ! 私、付き合っている人がいます!!」
「振られた男なんて、あきらめろよ。」
お化け屋敷の奥の、薄暗い休憩室。
保健室にあるはずのベッドの上で、言葉は泰介と争っていた。
「大丈夫だ! そいつがいなくても、俺が慰めてあげる
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