暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
46話:2月14日 各々のバレンタイン
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すずか side
その頃月村邸のキッチンでは、二人の女性がそれぞれの持つ紫色の髪を揺らしながら、それぞれのクッキー作りをしていた。
「〜〜♪」
二人の内の背の高い方、月村 忍は鼻歌を歌いながら調理をしている。
それを見ながらも同じく調理をしていた月村 すずかは、そんなご機嫌な姉を見るのは自分の親友であるなのはの兄、高町 恭也と一緒にいる時ぐらいだと思いながら眺めていた。
「お姉ちゃん、ご機嫌だね」
「それはそうよ〜♪だって好きな人に上げるんですもの」
好きな人、か……。そう声を漏らし表情を暗くするすずかを、横でチラリと見る忍。
すずかが士達と友人となった時…つまり約二年前からバレンタイン用のチョコやクッキーを作っているが、こんな表情をするのは初めてだった。
何かあった、というのは姉である忍には、このチョコ作りをする前からわかっていた。
様子が可笑しいのは、先程すずかが帰宅してからだ。確かはやてと呼ばれる子に誘われた、と言っていたな、と忍は心の中で呟いた。
「お姉ちゃん」
「ん〜?」
「やっぱりチョコとかもらうことって嬉しいのかな?」
調理を続けながら、すずかは目を細めて言った。それを横から見ていた忍は、頬を緩めて笑った。
「そりゃあ可愛い女の子からもらえば、誰だって嬉しいでしょうよ」
「そう、かなぁ…」
逆にすずかからもらっておいて喜ばない男がいたらどうしてくれようか、と忍は思う。恭也から少しばかりシスコンを貰い受けたことには気づいていないが……
対してすずかは、忍の言葉に笑みを浮かべていた。それは勿論可愛いと言われた事に対してではなく、士が嬉しく思ってくれる事を知れたから。
「それじゃあ、頑張らないと…(ブツブツ)」
「フフフ…」
さらに気合いの入った表情で作業に取りかかるすずか。そうやって真剣に取り組むすずかを見て、またも笑みを浮かべる忍。
その光景は、微笑ましい姉妹のものそのままだった。
こうして、少女達の昼下がりは過ぎていった。
残すは、バレンタイン当日のみ。
「「「「………」」」」
バッタリ。
学校の廊下にて、四人は顔を合わせた。その瞬間、それぞれ自分の動きを止めた。
「お、おはよう…」
「…う、うん…」
「あはは…」
「………」
それぞれが朝の挨拶を済ませ、一緒に並んで教室へ向かう。
「そういえば、士君は…?」
「さっき教室に来たよ」
荷物を持ったなのはが尋ね、それに返事をしたのはすずかだった。手をハンカチで拭いている所を見るに、手洗いの後のようだ。
因になのはは士に先に行かせてから学校へやってきた
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