暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
A's編 その想いを力に変えて
A's〜オリジナル 日常編
46話:2月14日 各々のバレンタイン
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はやてがそういうと、ヴィータは一層喜んで、スキップまでし始めてしまった。

「もう、ヴィータちゃんたら…」
「えぇやないか。あんなに喜んでもらえるんやったら、こっちも嬉しいし」
「あ、そういえば…」

そこで何かに気づいたシャマルが声を上げる。はやてはどうかしたのかと思い、シャマルへ視線を向ける。

「シグナムやザフィーラ、甘いものはあまり好まないと思うのですが…」
「あぁ、その事か。大丈夫、そういう人用にビターチョコ用の材料も買っといたよ」

その用意周到さに、シャマルはまたも感心した。

「さすがはやてちゃんですね」
「フフ〜ン、そやろぉ?」

シャマルに素直に褒められ、車いすの上で胸を張るはやて。

「じゃあ“本命”を上げる方も決まってるんですか?」
「それは勿論士く―――」

そこまで言って、はやてはハッとする。すぐに振り返って背後にいるシャマルを見る。
シャマルは手を口に当てて、クスクスと笑っていた。

「そうですか…はやてちゃんの本命は士君でしたか…」
「っ!い、いやちが…!///」

慌てて訂正しようとするはやてだが、顔が急激に熱くなることに意識を持って行かれ、頭が上手く回らず、上手い言い訳が思いつかなかった。

「と、取りあえずチョコが解ける前に、急いで家に戻らんとな!ちょい急ぐよ、シャマル!」
「フフ、はい!」

苦し紛れに話題を変えるはやて。シャマルはその行動に少し微笑みながら、はやての座る車いすの取手を掴み、車いすを押す。

「はやて〜!速く速く〜!」

先に玄関前まで着いていたヴィータに急かされ、二人も少し速いスピードで玄関へ向かった。

因に……

「それじゃあ、私も日頃の感謝の意を込めて、誰かにチョコ作ろうかしら」
「シャマル、それは止めておいた方がいいよ」

と、シャマルとヴィータがこんな会話を密かにしていたのは、はやても知らなかったそうだ。


















なのは side

トントントントントン……

無機質な音が、高町家の台所に静かに響き渡る。勿論その音の出所は、板チョコを細かく刻む包丁であり、その包丁を扱っているのは勿論、高町 なのはである。

「………」

ドッチボールやスノボーではドジッぽい場面しか見せてこなかったなのはだが、さすがに喫茶店の娘。作業の手際は親譲りなのか、テキパキとしていた。

「………」

真剣な表情で黙々とチョコを刻み続けるなのはだが、頭の中では別の事を考えていた。
勿論、包丁を扱いながらの考え事など、良い子が真似していい事ではないのだが、なのはも一魔導師。魔導師必須のスキル“マルチタスク”を利用して、安全に包丁を扱いながら
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