ロック オブ サキュバス
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洗いがいいんだぜ。朝シャンはよくねぇ、髪を傷める」
「貴様・・・どうやって水流拘束を・・・」
そう。
先ほど説明したとおり、水流拘束は術者の意思がない限りは破れない。
ファントムとの抗争の際のグレイのように凍らせるか、相手がジュビアと同じ水の魔導士でその水を利用するかなどをしない限りは、である。
その為、そのどちらにも当てはまらないヴィダルダスがどうして水流拘束を破ったのか・・・それはジュビアにとって疑問だった。
その疑問に、ヴィダルダスは意外に親切に答える。
「俺の髪は液体を吸収する。油やアルコールはごめんだぜ?髪が傷んじまう」
つまりは―――――
「『水』が・・・効かない?」
「そんな・・・」
「こうなったら『風』を操る僕しかいないねっ!」
ルーが張り切って左手に魔力を込めるが、それを綺麗にスルーして、ヴィダルダスはルーシィとジュビアを見つめた。
「それにしてもいい女だな、2人とも。へへっ」
それを聞いたルーシィは――――
「出たよ!いつもの」
「な・・・何の事?」
「可愛いってのもトラブルのもとって事」
「むぅ・・・ロキに続いてライバル出現だぁ!」
自意識過剰なルーシィ。
ルーはスルーされた事には怒らず、ヴィダルダスがルーシィを『いい女』と言った事で、勝手にライバル視していた。
ちなみに彼の中ではロキもライバルの1人である。
「ど・ち・ら・に・し・よ・う・か・なっ・じ・ご・く・の・あ・く・ま・の・・・」
すると突然、ヴィダルダスは2つのもので迷った時に誰もがするであろう仕草を始める。
すっすっすっ、と指を動かし、ルーシィとジュビアを交互に指差していく。
「い・う・と・お・・・」
完璧に言い終えた時、ヴィダルダスの指が差していたのは―――――
「り!」
「!」
――――――ジュビアだった。
「決めたぜ!お前が今日のサキュバスだ!」
「サキュバス?」
聞き慣れない言葉に戸惑うジュビア。
「ロック・オブ・サキュバス!ヘイ!ヤー!」
ヴィダルダスのギターが鳴り響く。
すると、ジュビアに異変が起きた。
「ああ・・・あ・・・な・・・何!?この音!?」
「ジュビア!どうしたの!?」
「一体何が・・・!?」
突然のジュビアの異変に、ルーシィとルーは戸惑う。
「イヤ!やめて!入ってこないで!」
先ほどまで上手だと言っていたヴィダルダスのギターの音に、ジュビアは明らかな怯えを見せる。
耳を押さえ、恐怖し、怯え―――――――
「ああああああっ!」
絶叫した。
「水女はここまでだな」
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