『第五次世界大戦』の部
レクエムの章
第二話『強制避難』
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た。
過激に地面とキスという比喩が良く似合う。
小鳥遊は、痛いはモチロンだが、自分の上に誰か乗っていることに気付いた。
肩甲骨あたりに柔らかく、重い物が乗っている。そして布切れが自分の頭に覆いかぶさっている。
(何これ……この重みは、人?)
顔を横に動かすと、白い布が視界の端に移る。
***
(フー……危なかった危なかった)
『あれ、誰これ…』と思った。
私は誰かの上に座っていた。
今、私は屋根から飛び降りて〔秘密基地〕にやって来た。
そして、今、私は、赤と黒のチェック柄のミニスカートを履いていて、股の下に誰かの顔がある気がした。
(顔…………?)
数秒後、自分は顔を真っ赤に染めていただろう。
状況を理解した自分は、思い切り飛び退いて後退りして、住居の壁に寄りかかった。
(男……それも同い年くらいの……)
***
(おっ……)
視界が明るくなった。
身体の上に乗っていた物がどいた。
小鳥遊はフラフラと立ち上がる。
「何だよ誰だよ何なんだよ?いきなり重いのが……」
すると、視界に女が目に入った。
その女は、女物のシャツと、赤と黒のチェック柄のミニスカートを履いていた。
容姿端麗。
一言で言えば。
(なんだ、この女!?めっさかわいい……!)
***
気が付くと、私は大声で叫んでいた。
「パ、パ、パンツ見たでしょッ?」
男だった。髪が肩まで伸びていて、制服を着ている。
「は、はぁ?」
男は顔を真っ赤にしていた……。
自分は、それ以上だと思う。
(この男、絶対パンツみた!!
ぜっっっっっっっったぁぁい見た!)
「絶対パンツ見たでしょ!」
「いやだからその、みてねぇって!」
***
「いやだからその、みてねぇって!」
(あれパンツだったのかーァッ!
もっとちゃんと見ておけばよかったーッ!
至極残念)
「そもそも俺はただ秘密基地を通りかかっただけであって、そしたらお前が降ってきただけであって……」
「秘密基地?私もここを秘密基地にしてたけど……」
「俺は、佐原 恵奈って奴と鳥取 泰河って奴と一緒にここを作ったんだ!」
「佐原 恵奈……鳥取 泰河……」
女は俯き加減に続ける。声色にさっきまでの勢いはない。
「私は、鳥取 泰河と小鳥遊 翔馬の2人と、秘密基地作った……」
「…………は?」
「だから、私が、佐原、恵奈……」
佐原 恵奈と名乗る女は、ついに黙り込んでしまった。
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