変態と紳士の境界線上 その三
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態扱いするな」
「現に今、こうしてわたしを見ているじゃないですか」
「それは会話するためであって、劣情をもよおすためじゃない」
「そうですか? まあ、わたしにとっては、ベインズさんが変態だろうが無かろうが、些末な問題に過ぎませんが」
俺には問題がおおありだよ。
「些末な問題って……そこはもっと重要視しろよ。俺が、お前によって、変態の汚名を着せられようとしてるんだぞ」
「汚名は挽回すればいいじゃないですか」
「おいおい、状況がさらに悪くなっているじゃないか? 変態が汚名を挽回したら、極度の変態になるじゃないか」
「まったく、うるさい人ですね。わたしにとって、もっとも重要なのは――」
「俺が、お前のせいで、全世界の人間から変態のレッテルを貼られようとしているときに、それ以上に重要なことって何なんだよ?」
「それはですね。あなたが、わたしを、欲しているかということです」
俺はそれを聞いて噴き出した。
少女は真顔でとんでもないことを口走っている。
俺の前に立つ金髪ロリ少女は、俺をどんなレベルの変態だと思っているんだ? ともかく、間違いは正すべきだろう。
「そんな洗濯板より凹凸のない身体に興味なんてない! それより何より、自分の言っている意味が解ってるんだろうな」
と叫ぶように言った。
「洗濯板とは――また、ずいぶんと古風な表現をしたものですね。いったいいつの時代の人間ですか? せめてタッチパネルとくらいは表現してください。ああ、すみません。少し話が脱線してしまいましたね。さっきは、言い間違いをしてしまったようです」
俺はさらに凹凸が無くなっているじゃないかというツッコミはしないで、話を進める。
「で、いったい何と間違えたんだ?」
「力が欲しいかと聞こうとしたんですよ」
『わたし』と『ちから』、一文字も合ってないし、しかも、間違う要素が皆無だろ、これ。
「力が欲しいですか? ベインズさん」
少女はもう一度尋ねてくる。
「そうだな――自分だけじゃなく、自分の周りの人間を守れるくらいの力は欲しいかな」
確か、原作一夏もこんなことを言っていた気がするな。
少女は俺の言葉を聞いて、人懐っこい無邪気な笑顔を作ると、
「そうですか。まったく、ベインズさんは肝っ玉の小さいつまらない男ですね。力を手に入れてハーレム王になりたいくらいは言ってください」
と言って、なぜか俺に向かって駆け寄ってくる。
そして、地面を思いっきり蹴ってジャンプ。
高さは明らかに俺の身の丈を越えている。
その身軽さに感心していると、どこから持ち出してきたのかは解らないが、右手には持ち手が黒テープ
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