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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第195話】
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告げるセシリア。


「ふふん。 まさかヒルトが奢ってくれるなんてね? @クルーズ期間限定の一番高いパフェね!」


 ……あれって、確か二五〇〇円した気が――。


「ヒルト、良いの……? その、財布の中身大丈夫?」

「ん? シャルがそんなこと気にするなよ。 奢るときは奢る、だから甘えていいんだって」


 心配そうに言ってきたシャルだが、甘えてもいいという言葉に反応し、少し眉を下げながらも嬉しそうに微笑んだ。


「むぅ……。 夫としては嫁の奢りでなどと――」

「そんな小さいこと気にするなって、ラウラも頑張っただろ? それにシャルもラウラもだが、明日は忙しいんだ。 ここで鋭気を養わないとな?」


 俺がそう言うと、まだ悩みながらも静かに頷くラウラ。


「お兄ちゃんの奢りかぁ。 ……じゃあ私もパフェにするかな?」

「おぅ、構わないぞ。 妹なんだ、遠慮してもつまらないだろ?」

「うん。 じゃあお兄ちゃんに甘えちゃえっ♪」


 甘いものが食べられるからか、美冬も満面の笑みを浮かべた。


「……じゃあ行こうぜ? ほら、荷物も俺が持つから」

「え? ……よろしいのですか?」


 申し訳なさそうに訊ねたのはセシリアだった。

 こういうのは基本的にシャルから言ったりするが――。


「構わないさ。 それに女尊男卑だが――皆なら俺自身、納得した上で持つんだしな」

「ふふん。 そういう事ならあんたに預けるわ」


 そう言って鈴音が早速荷物を俺に渡す――ぬいぐるみ付きで。


「で、では……今日はヒルトさんにお預けいたしますわね? ……ありがとうございます、ヒルトさん♪」


 荷物を渡すと、頭を下げてお礼を言うセシリア。

 四月の頃のセシリアが今のセシリアを見たら、多分信じられないだろうな。


「ヒルト、ありがとう。 ……でも、僕は半分は自分で持つよ。 ……に、荷物多いと大変でしょ?」

「ん? まあ大丈夫だよ。 ……だが、気遣ってくれてありがとな、シャル?」


 そう俺がお礼を言えば、笑顔で返してくれるシャル。

 半分の荷物を預かると改めてシャルは頭を下げた。


「……夫が嫁に荷物を預けるのはどうも……」

「ん? ……まあ気にするなって、ほら? 持つから」

「ぅ……む。 すまない、ヒルト。 ……このお礼は、後でキスして返そう」


 そう顔を赤くし、指をもて余しながら言うラウラだが――。


「そ、それはいい……。 争いを生みそうだしな」

「……そう……か」


 断ると、しゅんっと悲しそうな顔をするラウラ。

 ……そんな顔されたら、凄く罪悪感が沸くのだ
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