第五十四話〜人形と聖王〜
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、ライが突然背後に現れた事に驚いていたであろう状況。
ライが何故急に背後から現れたのかというと、ライは道を曲がるとすぐにエナジーウイングをパージ。そしてその後、通路の左右の壁に両手のハーケンを打ち込み、空中ブランコの要領で円の軌道を描きランスロットの背後に移動したのである。
短い呟きと斬撃が放たれるのは同時であった。ライの放った斬撃はランスロットのコクピット部分を切り裂く。
ランスロットは本体が停止し、その巨体が落下していく。そして落下先には紅蓮弐式の姿があった。
紅蓮弐式は危機回避行動の為に機体を後方に滑らそうとする。だが、ライは紅蓮弐式が下がり切る前に落下するランスロットに向けて銃口を向け、引き金を引く。
放たれた魔力弾は、先ほど切られた電子部分が剥き出しになった箇所に真っ直ぐに進み、着弾する。
すると着弾と同時に先の爆発と比べ、数倍の爆炎が辺りを包む。
紅蓮弐式は回避行動中に予定外の攻撃を受けたためにバランスを崩す。
「カレンならそこで足踏みはしない」
再び呟くと同時にパラディンの翼の基部から、二発の空薬莢が飛ぶ。
「アクセルドライブ」
口ずさんだ始動キーに応えるように、色濃くエナジーウイングが再度展開され、緑の軌跡を残していく。
高速で移動し紅蓮弐式の背後に回ったライはヴァリスの引き金を引き、魔力弾を打ち込む。
だが、持ち前の旋回力を最大限発揮して紅蓮弐式は振り返り、輻射波動の防御を行う。
「それは失策だ」
自機の前面を防いでいる紅蓮弐式は気がついていなかった。背後、正確には自機のコクピットのほぼ真上に緑色の羽が残されている事を。
魔力弾を防ぎ切って振り向く前に、エナジーウイングは紅蓮弐式のコクピット部分に接触、爆発する。
その爆発で、目の前に倒れ込んできた機体に向け、ライはMVS形態の蒼月を横薙ぎに振り抜いた。
滑り落ちるようにコクピットはずり落ちていき、紅蓮弐式は活動を停止した。
それを確認したライは再び通路を進み始める。だが、その表情は勝利を掴んだ者の表情でも、任務を遂行する兵士の表情でもない。純粋に疑念を持った人間の表情であった。
『マスター、どうしました?』
「……使わされた」
『は?』
「僕がカートリッジを消耗するように戦闘を行わされた。ジェイルは僕とナイトメアの戦闘を望んではいないのに」
『では、今のは――』
「向こうも一枚岩ではないのかもしれない」
ゆりかご内・祭壇区画
ライがゆりかご内を移動している頃、なのはとフェイトの両名はスカリエッティの捕縛を目的とし、ゆりかご内に突入していた。2人の他にヴィータも突入し始めこそ一緒に行動していたが、途中で別れゆりかごのエンジン部の制圧に向か
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