閑話4 〜彼女達の日常
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リオは何とか言葉に詰まりながらも答えた。偉いわよ、男の子。八神部隊長が何とかしろとばかりに、なのはさんへ視線を送る。八神部隊長の真摯な視線をまっすぐ受け取ったなのはさんは、そっと目を逸らした。あぁ……今やっと理解した。あたし達で言うところのアスナのポジションが、フェイトさんなわけか。
結局、『この娘に怖いもんなんてあるわけねーじゃん』と言う至極当たり前な結論にたどり着こうとした時に、八神部隊長に一人の女性が近づいてきた。確か……受付の女性だ。
「八神部隊長、お休みのところ申し訳ありません。面会希望の方が、いらっしゃってるんですが」
「うん? 今日は誰も予定は入ってへんで?」
「それが……アスナさんのお身内の方だそうです」
アスナの背後にお花が咲き誇ったのを幻視する。アスナに会いに来る身内など一人しか思い浮かばない。
「その……『このたびは愚妹がご迷惑をおかけしました』と」
アスナの背中に咲いていた花が見る見るうちに枯れていった。どうやら、アスナが勝手に地球から生き物を連れてきてしまった事実は既に耳に入っているらしい。アスナは胸に留められているPinsを油の切れたブリキのおもちゃのような動きで見つめる。
「……告げ口したな」
『い、いや。黙っているわけにもいかないだろう。いずれバレ』
アスナはそっと自分の胸からPinsを外すと、キャラメルティーがまだ半分残っているカップへ沈めた。哀れ、ボブ。アスナは音もなく立ち上がると八神部隊長をまっすぐ見つめながらこう言った。
「……自分探しの旅に出ます」
来なくてもいいのに来てしまったボランティアのような事を言うと風のように駆けていった。因みにその方角をまっすぐ行くと海だ。まぁ、あの子には関係ないけど。一方的にサボタージュ宣言をされてしまった八神部隊長がそれを許すはずもなく、シグナム副隊長を見る。シグナム副隊長はそれだけで理解してしまったのか、全身から『面倒くさい』オーラを出しながら立ち上がりアスナを追いかけていった。
「こらーまてーきりゅうー」
お気持ちはわかりますが、もう少しやる気を出してください。
結局、シグナム副隊長では捕まえられず、あたし達まで狩り出され大捕物となったわけだが、ここでは割愛する。このお茶会で明らかになった事と言えば、アスナの怖いものは怒ったお兄さんだったというよく考えればわかる当たり前の事実と、フェイトさんがアスナとは違う方向の天然だったという特に知りたくもない事実だけだった。
余談ではあるが、この数日後。忙しい八神部隊長の代わりに、フェイトさんがアスナをお供に本局へお使いに出かけたが二人揃って本局内部にて迷子になり、職員に保護されるという六課解散まで語り草になる珍事を引
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