第6章:女の決意・男の勘違い
第8話:真犯人を求めて、味方に虚言をする。良い気分じゃないッス
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(ガーデンブルグ)
アローSIDE
「はぁ〜……面倒だな」
城から城下に出た途端、彼女(イカレた方)を連れオイラ達から離れていったアニキが、深い溜息と共に戻ってきた。
一体何を話したのだろう?
「みんな聞いてくれ。俺達はこれから窃盗の真犯人を捜さなければならない。何故こうなったかを色々聞きたいだろうけど、今は先ず犯人の事を話すので聞いてくれ。マリーが以前から集めてた情報を検討した結果、『盗賊バコタ』と言う人物がピックアップされた……こんな顔だ」
此方の質問を遮る様に話を進め、今描いた似顔絵をシンに見せるアニキ。
「あ、この人です! もう少し目は優しかったし、身形も綺麗な人でしたけど、間違いなくウルフさんが描いたこの人が、俺を騙してシスターの家に招いた男です!」
「やはりそうか……この男はガーデンブルグの南にある山中の洞窟に隠れ家を持ち、其処を拠点にこの界隈で活動をしているらしい。洞窟内にはモンスターも徘徊しており、そんなとこの奥に住んでいる以上、奴もそれなりの手練れだと推測される。準備を万端にして直ちに出発したい……途次今回の件やバコタの情報の出所については話すつもりだ。だが取り敢えず出発し、シンと我々に掛けられた容疑を払拭しよう!」
そう言ってアニキは有無を言わさず行動に出る……
先ずは宿屋に戻り荷物を回収。城下で消耗品等の購入。
ただ装備品は品揃えが悪く、何も買わない事に決定した。
長時間閉鎖されてたから、この国は物資が不足しているらしい……
(ガーデンブルグ周辺)
「ウルフさん……そろそろ説明して頂けませんか? 今回の事件にリュカさんはどう関わってるんですか?」
ある程度ガーデンブルグから離れ、モンスターの襲撃も増してきた頃に、ホイミンが遠慮がちに尋ねてくれた。
オイラ達も聞きたかったのだが、リュカさんが拘わっておりアニキが不機嫌な為、聞くに聞けない雰囲気だったのだ。
「……そうだな、みんなは被害者だし知る権利があるよな! でも言っておくぞ……マリーとシン君は被害者面するな。マリーはこの騒動の発端だし、シン君は見ず知らずの男に付いていった愚か者だ。マリーが燃料を与え、リュカさんが組み立てをし、シン君がスタートさせた。知らなかった……解らなかった等の言い訳は聞きたくない!」
普段アニキはシンに対して優しいのだが、今回は随分と厳しい態度に出ている。
相当腹に据えてる様だ。
リューラの事をチラッと見たが、アニキの態度に怯えている。
「先ず、事の発端はイムルの村で不思議な夢を見た事から始まる……」
そう始めたアニキは、これまでの状況をオイラ達に説明してくれた。
それはもう、とんでもなく理不尽な状況を……
イムル村で奥さんの事を知ったリュカさんは
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