暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep10管理局と魔術師〜Coalition〜
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†††Sideシャルロッテ†††

(全く、たとえルシルの固有魔術が制限されているからって、こんなデタラメな複製術式が使えるんだったら卑怯じゃない)

私は心の中で、ルシルに対する制限内容に愚痴を零す。そこまで来ている海水の砲撃。先に受けたダメージの所為で抵抗できない私はルシルを睨みながら、あと少しで私たちを襲うであろう痛みに耐えるために覚悟を決める。
そして私とクロノの眼前に迫った瞬間、砲撃は形を崩して単なる波となった。そうなると当然、「うわっ!」クロノと、「ちょっ、待って!」私は、とんでもない水流に押し流されることになるわけで。なのはとユーノはギリギリ範囲外だったから、溺死なんて最悪の結果にはならなかった。

「・・・もう! 何よこれ!? ふざけるなーーー!」

私は海草塗れになりながらも、なんとか生きていた。が、ムカつく。最後の最後で手を抜かれた気分だわ。いえ、実際そうなのかしら。

「ひ、酷い目に遭った。一体なんだったんだ、あれは!?」

クロノは頭に小さなカニを乗せて、体やデバイスに巻きついた海藻を引き剥がしながら叫んでいる。周囲を見渡すと私たち以外は無人。すでにルシルの姿はどこにもなかった。

「逃げられたか・・・?」

クロノが真剣な顔をして虚空を見つめてそう言っている。それよりいい加減に頭のカニを取りなさい。

(なのはとユーノは・・・?)

まずは2人を確認しないと。私も体に巻きついている海草を剥ぎ取りながら、2人の元へと駆ける。

「なのは! ユーノ!」

倒れている2人の側に屈み、急いで状態を確認する。ただ単に気を失っているだけみたいね・・・。良かった、本当に良かった。

「う・・・ん、シ、シャルちゃん・・・?」

「なのは、大丈夫? どこか変なところとかない?」

「・・・うん、大丈夫。少し体が痛むくらいだから」

なのははそう言って立ち上がる。ユーノの方も「あ、あれ? 僕たち一体どうなって・・・?」目を覚ましたようだわ。ルシルの術式発動直後から記憶がとんでいるみたいね。まぁ、その方が良いかもしれないわ。下手に思い出させて恐怖を抱かせることはしたくないもの。

「どうやらみんな無事のようだな。改めて、時空管理局執務官クロノ・ハラオウンだ」

「あ、はい。私は高町なのはです。えっと・・・頭の上のカニさんは何なんですか?」

なのはが自己紹介とともに、クロノの頭を指してそう言う。

「カニ? うわっ、と・・・コホン! 何でもない、気にするな」

クロノがカニを掃って海へ放り投げた後、わざとらしく堰をする。というか気付いていなかったの!? 脚とかが頭に突き刺さっていそうだったから気付いているのかと。

「え〜と、僕はユーノ・スクライアです」

ユー
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