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失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十九話「妖狐パニック」
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るのもままならないほど強く輝いた。
手で影を作っていた俺は光が収まるのを確認するとハクがいた場所に目をやる。
「ん?」
しかし、そこにはハクの姿はなく、一人の少女が立っていた。
白を基調にした着物を着た少女だ。
身長は一六〇センチほどだろうか。腰まで届く白髪は月光を浴びて銀色に輝いて見えた。
少女は大きく息を吐く。冷気による白い吐息が闇夜に消えていく。
見たことのない少女だ。これは断定できる。
その横顔は恐ろしいまでに整っており、凛とした表情は一見すれば忘れることがないだろう。
しかし、その妖気には覚えがあった。
「……ハク?」
「―ーっ!」
俺の声が届いたのか、ビクッと肩を震わせたハクが恐る恐る振り返る。
「せん、や……?」
まるでいけないところを見つかってしまった子供のような反応だった。
ハクの傍に近寄ると、彼女は顔を俯けた。
「なぜ、ここに……?」
「ベッドから抜け出したからどこにいくのか気になってな。しかし、驚いたぞ。まさか―ー」
「―ーの、ですか……?」
「ん?」
ここにきて、ハクの様子がおかしいことに気が付いた。
なにかに耐えるかのように小さな肩を小刻みに震わせ、着物の裾をキュッと握りしめている。
「千夜も、私を見捨てるのですか……?」
「……ハク?」
俯けていた顔を上げる。その深い群青色の瞳が真っ直ぐ俺を射抜いた。
「なん、で……どうして……っ! 一緒にいてくれるって言ったじゃないですか! 守ってくれるって言ったじゃないですかっ!」
目じりに涙を浮かべ、キッと睨みつけながら叫ぶように言葉を叩きつけてくる。
「私が化け物だからですか……? 私が化け物だから、だから千夜もいっちゃうんですか……?」
白魚のような白い指が俺の胸元を掴んだ。
「お願いします! 見捨てないでください! 独りにしないでください!」
強く揺さぶってくる。零れ落ちた涙が月の光を反射して煌めいた。
「もう、独りはやだよぉ……!」
俺の胸に顔をうずめ、消え入りそうな、小さな声で泣きじゃくるハク。
「なあ、ハク―ー」
「いやぁ! 聞きたくない!」
「いや、聞かないと俺が困るんだが」
普段のハクからは想像もつかない取り乱し様。
ぽりぽりと頬を?いて、目の前で子供のように嗚咽を漏らすハクに一言。
「……なんの話?」
「ヒクッ……クスン…………ふぇ?」
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