暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep8プレシア・テスタロッサ〜Mother〜
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と告げる。

「追いつくって・・・ルシル、場所知らないでしょ?」

「あ」

そうだった。こんな広いところで1人になって迷子なんて、あまりにも恥ずかしすぎる。フェイトやアルフの魔力を探査して辿れば簡単なんだが、能力を1%まで制限されてしまっている所為で、今の俺は大して役にも立たない魔術師見習いレベル・・・というより一般人だ。

(このままフェイト達が報告を終えるのを待つという選択肢もあるんだが・・・)

いや、フェイトに世話になっている身として、母親に挨拶をしなければ失礼か。むぅ、報告を遅らせるか、挨拶もせずに帰るか。どちらも失礼に値するじゃないか。さぁどうしようかと本気で頭を悩ませていると、フェイトが「うん」と頷いて俺とアルフを交互に見た。

「アルフ。ルシルに付いててあげて」

「え・・・!? フェ、フェイト!? そんなんじゃフェイトが1人で・・・」

(何だ? アルフの様子がおかしい。フェイトを1人にしたからといってどうなるんだ・・・?)

「私は大丈夫だから。ルシル、ゆっくりで良いからね。あとで私の部屋へ案内するから」

「フェイト! 待ちな!」

アルフが最後までフェイトを引き止めようとしていた。何をそこまで焦っているんだ君は。フェイトは微笑みながら俺とアルフに手を振って、“ジュエルシード”の獲得数について報告するために母親が居るであろうところへと歩いて行った。それを見送り、俺はその場に胡坐をかいて座り込んだ。この気持ち悪さは、地球に帰るまで治まらないだろうな。

「ああ、行っちまったよ! どうしよう! フェイトが1人であのババアに会いに行っちまったよ!」

(先ほどから一体何を・・・。というか、ババアって、フェイトの母親のことを言っているのか・・・?)

どうもアルフの様子がおかしい。マンションの時からフェイトの母親に対して嫌悪感を、いやもっと深い・・・そう、憎悪を抱いている。俺は「もう大丈夫だ。アルフ、行こう」と言って、立ち上った。正直な話、歩くだけでもかなり辛いが、胸騒ぎがし始めたから気にしていられない。

「おっそい! 急ぐよ、ルシル!」

「あ、おい! アルフ!? 何をそんなに急ぐんだ・・・!?」

アルフが急に走り出したから、「どうしたんだ! アルフ」鈍い体を押して俺も走り出す。どれくらい走っただろうか。辿り着いたのは長い廊下、先には大きな扉。そしてその中から聞こえてくるのが・・・

「何だ? 何なんだ? どういうことだ!? アルフ!」

聞こえてくるのは悲鳴。それもフェイトの悲鳴だ。フェイトの悲鳴の他に聞こえてくるのは、鞭のようなしなる物で何かを叩く音。決まっている、フェイトを叩いているのだ。では誰がそんなことを。この“時の庭園”とやらに居るのは、俺とフェイト
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