暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep8プレシア・テスタロッサ〜Mother〜
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居るところへ報告をしに行くと言ってきた。フェイトの母親。きっと良い人なんだろう。素直で母親思いのフェイトを見ていれば判る。今から彼女の母親に会うのが楽しみだ。俺の母親、だけでなく父親も、俺にとっては両親とは思えない他人のような存在だったからな。

「楽しみだな、フェイトの母親か。良い人なんだろう? アルフ」

「良い母親? アイツはそんなんじゃないよ! アイツは・・・!」

フェイトがその場に居なかったから、知っているであろうアルフにそう聞いてみた。するとアルフは突然激昂。まさか、そんな牙を剥いて怒鳴ってくるとは思わなかったから戸惑った。今の言葉の真意を知るため、「なぁ、アルフ・・・」からフェイトの母親の話を最後まで聞いてみようとしたところで・・・

「アルフ? どうしたの。大きな声が外まで聞こえていたよ?」

フェイトが例の包みを持って帰ってきた。母親へのお土産だ。フェイトは母親へのお土産を買って来ると言ったから俺も一緒に行こうとしたら、バインドを使ってまで俺をソファに強制的に寝かせた。“界律”からのペナルティダメージはもう治っているんだが、フェイトは決して俺を出掛けさせようとしなかった。バインドで俺を拘束したあの時のフェイトは・・・鬼だった。

「お土産も買ったし・・・行こうか、アルフ、ルシル」

「・・・うん」

「ああ」

マンションの屋上へ移動し、フェイトが転移するための準備に入った。そして転移魔法の詠唱を終えると、俺たちはこの世界から消えた。そして辿りついたのは、妙な空間に浮かぶ巨大な島のような場所だった。まず真っ先に思ったのは、何だここは?と、気持ち悪い!の2つだった。後者の原因はすぐに判明する。それは、契約中の世界から勝手に出て来てしまったため。
      
――第四の力、天秤の狭間で揺れし者・ルシリオンに警告。
現在、契約を行っている世界・“地球”より許可なく離脱中。
至急、帰還せよ。帰還せよ。帰還せよ。帰還せよ。
帰還せぬ場合、この場での使用可能能力を1%まで制限する――   

“界律”からそのような警告が出されるが無視だ、無視。そもそも戦闘になるわけがないだろう。ただフェイトの母親に会いに来ただけなのだから。だがやはり「気持ち悪い・・・。フェイト、アルフ、先に行っていてくれないか?」軽い眩暈を起こしながら2人に言う。

「え、大丈夫なのルシル? もしかして昨日の怪我が・・・」

「そうなのかい!? だったらついて来なくても・・・いや、それはダメか・・・」

「治まるまで待っていようか・・・?」

「その方が良いと思うよ!」

2人が心配そうに俺の顔を覗き込んで来る。俺の勝手でフェイトの母親を待たせるわけにもいかない。だから「俺は大丈夫。少し休めば、すぐに追いつく」
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