暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep7それぞれの悩み〜Worries and decision〜
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ルーに輝く剣のような翼を12枚生やす。

(空に逃げる気ね。けど、そうはさせないわ!)

私も空を飛ぶことの出来る飛翔術式、アインス・ルビーン・フリューゲルを習得している。けど、発動はしない。何故なら絶望的に下手なのだ、空を飛ぶことが。まるで死に掛けの羽虫のようにフラフラとしか飛べない。

(それでよく膨れっ面をして拗ねていたものよ)

まぁ、その代わりに魔法陣を足場にした戦法・空戦殺しの法陣結界もあるけど、今の少ない魔力では自滅行為だから使わない、使えない。だから、ここでルシルを空に逃がすと、私の攻撃手段が大幅に減らされる。

「逃がさない!」

両脚に魔力を付加して脚力強化。私は確かに飛べないけど、跳ぶことは出来る。瞬時にルシルの背後に跳躍し、左サイドの剣翼6枚全てを切り捨てる。

「バカな!?」

ガシャァン!とガラスが砕けたような音とともに崩れ去る剣翼アンピエル。そのまま滞空しているルシルが激しく動揺する。当然よね。以前まで圧倒的優位に立っていたのに、今は逆転しているのだから。

「そのままだと灰になるわよ!」

――炎牙焔牢刃(アオフ・ローダーン・シュテルン)――

私の持つ炎熱系攻性術式の一撃をルシルに放つ。これは対象を炎の球体に閉じ込め、爆発的な炎の斬撃で炎球ごと斬り裂くという術式だ。

「食らいなさい・・・!」

頭上に振り上げた炎に包まれた“キルシュブリューテ”を、ルシルを覆い包む炎球へと振り下ろす。縦一閃。直後、炎熱球が大爆発を起こす。むぅ、能力値が12%ではやはり大した威力は出なかったわ。それでもSランク程度はいくだろうけど。炎を引いて地面に叩きつけられたルシル。

「我が手に携えしは確かなる幻想」

一切の揺らぎの無い声色であの詠唱を口にするルシル。私もこの程度で勝てるなんて初めから思っていない。炎の中から現れたルシルは、左拳に真っ白な光を纏わせていた。

「ヘブンズ・・・ナックル!」

左拳が突き出されると同時、光は砲撃となって放たれた。すぐさま回避行動を取り反撃しようとしたところで、ルシルが弓矢を構えているのを視認。おそらく私の逃げ道を塞ぐための範囲攻撃系の術式だと推測。

「奥義クランブル・ガスト!」

放たれたのは無数の矢。ルシルの上級術式の1つ、弓神の狩猟(コード・ウル)みたいだけれど。あれほどの脅威は感じないわね。とは言え、ウルと同様に効果範囲がデタラメに広いから回避は不可能。ならば、私に当たるものだけをこの身と刀だけで叩き落すのみよ。

「そればかりに気をとられていると、今度は君が灰となってしまうぞ!」

――シアリングソロゥ――

ルシルの頭上に発生した炎塊が弾丸となって、雨のように降り注いでくる。

「まだまだ!」


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