『第五次世界大戦』の部
レクエムの章
第一話『小鳥遊 翔馬という少年』
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルトライフルを構え、10発程の銃弾を打ち込む!
銃弾は男の胸元に吸い込まれるように突き進んだ!
男は胸元に10発の銃弾を浴びて崩れ落ちた。男はうつ伏せになって倒れた。
その様子を見た小鳥遊は、女に向き直った。
小鳥遊は、初めてその女の困惑した表情を見た。オドオドしている訳ではない。
「…………」
女は黙って眉間に皺を寄せる。
それに対して小鳥遊は
「美人の顔が勿体無いぜ!」
少し余裕が出てきた。
女は無理矢理、笑顔をつくり
「あら、嬉しい事を言ってくれるわね」
と言った。
小鳥遊は片手で銃を持ち、女に銃口を向けると言った。
「もうアンタの能力は分かった。降参しとけよ」
「ホラ吹きも程々になさい」
女は鼻で笑った。
だが小鳥遊は確信していた。
(勝てる……奴にもう手はない)
「俺の一言がホラかどうかは置いといて…」
小鳥遊は人呼吸置いて、
「アンタ、もうまともに能力は使えないハズだ」
一瞬だが、女の顔が引き攣る。
「何を言っているのか、サッパリだわ…」
「今すぐこっから立ち去るなら、見逃す……」
小鳥遊はアサルトライフルを握る力を強める。
「そうね、立ち去る気は……微塵もないわ!」
女が地面を蹴り、疾風の如く走る!
7、8mあった距離はあっという間に縮まる。
(馬鹿野郎が…)
小鳥遊が銃の引き金を引いた。
ダンッズガァンッ!
2発。
2発の銃弾が女の右足と左足を貫いた。
ドサッ!
女が、前方に身体を投げ出すように倒れた。
「アンタ……空気を操る能力者なんだろ…最初の”風”といい、次の”蜃気楼”といい、どちらも空気を操る事で発生する」
女は倒れたまま、
「完敗ね……君の言うとおりよ……蜃気楼は、密度の異なる大気の中で光が屈折し、視界が歪み、見え方が変化する現象。空気を操る能力があれば、造作もないわ……」
「銃弾が弾かれた。いや、押し退けられたのは、アンタが高圧の空気を纏っていたからだ」
「ふふふ……素晴らしいわね。でも、」
女は、倒れている男を指差した。
「あいつが私の能力をサポートしている事に気付いたのは、なんで?」
「気付いた、というより既知の情報だった」
「既に知っていた……ね」
「…………」
女は今もなお笑顔だ。
「お姉さんを殺しなさい。」
「…………」
小鳥遊は何も言わず、じっと女を見下ろす。
「情けを掛けられるくらいなら、死んだ方がマシよ」
女の口調は穏やかだ。
「殺すのは本望じゃねぇ。これに懲りて、静かに余生を過ごしやがれ」
小鳥遊は、そう吐き捨てると、その場を去った。
(少しハシャギ過ごしたな。早いとこここを離れねぇと)
小鳥遊は腕時計を見つめた。多機能腕時計は、デジタルで4月6日 午前 10時4分 を示していた。
(今
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ