暁 〜小説投稿サイト〜
聖戦のデルタ
『第五次世界大戦』の部
レクエムの章
第一話『小鳥遊 翔馬という少年』
[1/4]

前書き [1] 最後 [2]次話
物語は、緑の豊かな森で始まる。

緑が生い茂る森の中、息遣いを荒くして走っている少年がいた。
「クソッ!」
少年の名は、小鳥遊(たかなし) 翔馬(しょうま)。15歳である。
少年・小鳥遊は、学生服を着ている。一見して、タダの学生に見えるかもしれない。だが、彼は普通ではない。
何故なら、彼の右手には一丁のアサルトライフルが握られていたからである。
「……?」
小鳥遊は、ふと何かに気づき、走るのを止めた。
そして、
サッ! と近くの木々の影に身を潜めた。

10秒程待って、先程まで小鳥遊がいた場所を、武装した兵士2人が通った。小鳥遊は兵士達の動きを注視している。
……その時!

「噂通りだな……」
突如、背後から若い男の声がした。
「ッ!?」
小鳥遊は背後からの声に驚き、咄嗟に振り返った。
振り返った先には、やはり若い男と女が、薄い笑みを浮かべて立っていた。20(はたち)そこそこだろう。
「”気配が分かる”ようだな…」
男が言った。
男も女も武装していたが、女は、身体のラインがハッキリ分かるライダースーツのような物を着ていた。
(こいつら、武装してやがる!【ディヌア】の兵士か!)
小鳥遊は咄嗟に真横に飛び退いた!
だが男も女も笑みを浮かべたままだ。
小鳥遊は2人から攻撃が来ないと見て、会話の余地があると判断した。
「何故、俺を知っている?お前達は、ディヌアの連中か?」
「おや、坊や、よく分かるねぇ。お姉さん達はディヌアの兵士さ……」
女の方が口を開けた。
「坊や、じゃねぇよ……」
小鳥遊が睨んだ。
「そうだったね。じゃあ、
”小鳥遊 翔馬”君かな?」
小鳥遊は「あぁ」と頷き、
「じゃあ、何で俺を知ってる?」
「うんうん、不思議だねぇ…」
女が小馬鹿にした態度を取るが、
小鳥遊は
「馬鹿にしてんのか?」
と聞いた。
それに対して女は、
「馬鹿に……というか」
一度息を吸い、

「”ブチ殺したいんだ”なぁ」

女の目は鋭く、血走って、顔は狂気に満ちて歪んでいる。
小鳥遊の顔を冷や汗が一滴、流れた。
その一滴が地面に落ちたのを合図に、『戦闘』が始まった!

小鳥遊と女との距離は、およそ3m。
(周りには兵士達がうろついている。出来れば戦闘は避けたいが……)
と、小鳥遊の思考を遮るように女が動いた。
女は、あり得ないことに、3mの距離を一歩で詰めてきた!
小鳥遊は持ち前の運動能力を使って、右足で女の脇腹を蹴ーーろうとした。
だが、脇腹に当たる数cm手前で見えない壁に遮られた!
(こいつ、能力者か!!今のは何だ!?)
女は、ほくそ笑むと同時に両手を胸の前に構えた。
小鳥遊は腕を交差させて防御の姿勢をとる。
直後、女の両手のひらによる掌打が
前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ