トラブル
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もんで…ご安心下さい。もうトラブルは解決したも同然です。私の言うとおりにすれば。」
辺我は体育教師に何やら耳打ちを始めた。
……
運命の時間がやって来た。体育教師が泳ぎの見本を見せ始めると、案の定「助言」が飛んできた。「ちょっと先生、何ですかその汚いフォームは?最初に間違った泳ぎ方を覚えたせいで一生泳ぎが下手になりでもしたら、どう責任をとってくれるんですか!」
(そら来た)とやや気が滅入りながらも、体育教師は辺我の指示を実行した。
「大変申し訳ありません。水泳は苦手なもので。僕なんかが教えていては子供達のためにならないことは重々承知しております。そこでなんですが…お母様が代わりに見本を見せて頂けないでしょうか?」
「は?何言ってんのよ!」
「失礼は重々承知しております。ですが私なんかが教えて子供達の将来を台無しにするわけには…どうかここは1つ子供達のために…」
気弱そうな体育教師が今にも泣き出さんばかりに懇願する様子をみて満足したらしい。
「いいわ、教えてあげる、泳ぎってのはこうやってやんのよ!!」
そう叫んだ女は、着替えもせずにそのままプールに飛び込んだ。そして…両手両足を端つかせて溺れ始めた。体育教師はタイミングを見計らって救助をし、救助車を呼んだが、助からず、この件は事故として処理された。……
「乾杯!!」
その日の夜、近所の料亭では、教師達がドンチャン騒ぎをしていた。
「あのクソババアがプールで溺死とは傑作だぜ。しかも自分で勝手に飛び込んどいてだから、俺たちには何の責任も無い、こりゃあたまげたなあぶははは!!」
校長はすっかり出来上がっている。
「でもなんで、あのババアがカナズチだって分かったんですか?それにカナズチにも関わらす自ら見本を見せたがるって。」体育教師の質問に、辺我はわざとらしく眼鏡を中指でくいっと上げ、こう答えた。
「一目見ただけで分かりましたよ。確かに彼女は普通ではなかった……
彼女は、『ヒトヒトの実モデルモンスターペアレント』の能力者だったんですよ。」
(終)
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