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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六一幕 「リタイア、そしてリスタート」
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が感じるはずのものなのだが。言い分が理解してもらえた事にほっとしつつ、ユウは社長の話に耳を傾けた。

「残間君。君に預けた“風花”はわが社が初めて開発したISだ。未だ企画段階の日本次期量産機“飛燕”開発のためにISのノウハウを得ようと組み上げたISのうち最も早く完成し、最も極端な性能で、今まで誰も使いこなせなかった・・・」
「・・・」

最上重工には風花の他にも2機の試作ISが存在するらしい。まだ完成していない3号機を除けば1号機である風花は誰にも乗りこなせなかった。それはそうだろう。ISの最大の利点とも言える空中での自由度の高い機動性がほぼ潰されているあのISの扱いにくさはユウ自身が良く知っている。

「マニュピレータ、ブースター、第3世代兵器、どれも統一性の無い組み合わせです。それもそのはず・・・1号機はうちの技術者達がIS改造の勝手を知るために好き放題弄り回したISで、第3世代兵器に至っては完全に後付の武装。・・・最初からコンセプトなど存在しない欠陥機だったのですよ」
「・・・へ!?」

そのハッキリとした物言いにユウは一瞬体が固まった。ちょっと待て、欠陥機って・・・分かっていて学園に提供したのか。国際的機関の依頼に何故そんなことを、と言いかけたユウに答えるように社長は話を続ける。

「学園からISを急遽回せないかと連絡を受けた時・・・我々は選択を迫られました。その頃3号機は漸く骨組みが出来上がった状態、2号機は既に専属パイロットがいる。しかし事実上一機だけのISから得られるデータではノウハウがどうしても足りない。今後の事も考えればIS学園からの専用機依頼は魅力的でしたが、手元にあるISで渡せるのは風花だけ・・・だから、我々は決断しました。いったん風花を譲渡すればよそのIS企業は「最上が専属になった」と認識してあなたを巡る競争から身を引く、その間に3号機を完成させて再度譲渡しようと・・・風花は専用機とは名ばかりの時間稼ぎだったのです」
「・・・・・・信じられない」

それ以上の言葉が出ない。欠陥品を押し付けられたことにではなく、自分の想いに応えてくれたあの風花が最上重工にとっては唯のつなぎという扱いでしかなかったという事に。今回の試合だって風花でなければ逆転など出来なかっただろう。あれだけの損傷を受けても最後まで動作不良を起こさなかったのも普通のISでは考え難い事だ。それだけの信頼性を持った風花から、僕は降ろされるのか。
目の前が真っ暗になりそうだった。明日から君の身体は動かせない、と医者に宣告されたような言いようのない恐怖が胸を駆け巡る。しかし、社長が語ったのはそんなユウの予想とは違っていた。

「私は・・・今日の戦いを見てその決断を下した自分をひどく恥じました。私はつまりこう思っていたのです。『風花を動かせるパイ
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