二幕 エルの妹
4幕
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った。イタイ、理由」
フェイは再び両手を胸に当てて、痛ましい表情で俯く。
「この列車がトリグラフに着いたら、お別れしなきゃいけない。エリーゼとも、ローエンとも、……エル、とも」
フェイの表情はみるみる歪んでいき、ついには赤い目から涙が落ちた。
「フェイ」
「ヤダ、ヤダよぅ…あんな優しくしてもらったの、はじめてなのに…〈妖精〉じゃないフェイに笑ってくれた人、はじめてなのに……サヨナラ…ヤダっ…」
両手を胸に押しつけ、ほとほとと涙を流すフェイ。
ルドガーは彼女の肩をそっと掴む。フェイはルドガーの胸に頭を押しつけ、嗚咽を上げた。
「列車、停まんなきゃいいのに……このまま走り続けたらいいのに!!」
フェイが叫んだ直後、ルドガーをもはや馴染みになった感覚が襲った。あの妙な世界に引きずり込まれる時の感覚。
ルドガーはとっさに、はぐれないようにフェイを抱き寄せた。
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