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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第4話:ハイジャック事件−4
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す」

「おはよう、ウェゲナー。ご苦労だったな」

「おはようございます。 今日からしばらくの間お世話になります」

ゲオルグが片手をあげて軽い挨拶をしたのに続いて、
ティアナは丁寧に頭を下げる。

「こちらこそ、捜査はあまりやりつけない仕事なのでご迷惑を
 おかけするかもしれませんがよろしくお願いします」
 
ウェゲナーの方もティアナと同じように深く頭を下げる。

「親睦を深めているとこ申し訳ないが、時間がないんでな。
 早速だが、捜査の進捗を聞かせてもらおうか」

ゲオルグがティアナとウェゲナーの間に割り込むように言うと、
ウェゲナーはゲオルグの方に向き直り、真剣な表情となって頷く。
一方、ティアナの方も話を聞く態勢を整える。

「了解です。 ですが、何からお話ししましょうか」

「順を追って聞こうか。 まずはヤツらの身元は割れたか?」

「はい、全員の身元が判明しています」

ウェゲナーはゲオルグに向かって頷くと、端末を操作して部屋の奥にある
巨大な画面に犯人たちの身元調査結果を映し出す。

「彼らには全員、海賊行為の前科がありました」

「海賊行為・・・だと?」

ゲオルグが小さな声で呟くように言うと、それを聞いていたウェゲナーは頷く。

「そうです。 全員が3年前に行われた掃討作戦で壊滅した
 海賊集団に所属していました」

「3年前? ああ・・・どっかの無人世界に根拠地を作ってた連中だったか?」

「その件なら私も覚えてます。 確か、第71無人世界でしたっけ?」

自分の記憶を探りながら言うゲオルグとティアナに対して、ウェゲナーは頷く。

「お2人ともさすがですね。そのとおりです。
 で、彼らはそのときに捕まえ損ねた残党のようです」

「そうか・・・」

ゲオルグは小さくそう言ってしばらく腕を組んで考え込む。
たっぷり2分ほど経った頃、ゲオルグは再び口を開いた。

「意外だな・・・」

ゲオルグがティアナに目を向けながら言うと、ティアナも難しい顔をして頷く。

「そうですね。 ミッドの中央次元港でハイジャックを起こすくらいなんで
 何か政治的な目的があって起こされたんだと思ってました」

「同感だ。が、理由は?」

「政治的な目的のためならハイジャックそのものが失敗しても
 世間に問題の存在を知らしめる効果を期待できます。
 だからこそ、たとえ成功の可能性が低くても目立つ目標を選択することが
 合理的な意味を持ちます。
 ですが、そういった効果がなければ警戒が厳しく成功の期待が小さい
 目立つ目標を選択するのは不合理です」

「なるほど・・・」

自信に満ちた顔で話すティアナの言葉に、ウェゲナーは感心しなが
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