第4話:ハイジャック事件−4
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ーは分隊より大きな規模の指揮をとらせるにはもう少し落ちつきがいる。
そもそも今でも最上位の分隊長として前線での指揮統率をとってきたのは
チンクだったじゃないか。今までと大して変わらないよ」
「だが、それはゲオルグの後ろ盾があったからで・・・」
チンクが吐く弱気なセリフに対して、ゲオルグはゆっくりと首を横に振る。
「確かにそうだけど、それだけじゃないと思うな。
ウチの連中は間違いなくチンクに一目置いてるよ。クリーグもウェゲナーもな。
それに俺もお前の指揮官としての才覚は高く評価してる。
俺の代役を任せられるのはチンク、お前しかいないんだ。なんとか頼めないか?」
自分に向かって深く頭を下げるゲオルグを見て、チンクは諦めのため息を吐いた。
「・・・わかった。 副部隊長の役目を引き受けさせてもらう」
チンクの言葉に頭をあげたゲオルグは笑顔を見せた。
「決まりだな。 これで無事に部隊の規模を大きくできそうだ」
クロノが何度か頷きながら言うと、ゲオルグは真面目な顔をして首を横に振った。
「まだですよ。 チンクの後任と新設分隊、2個分隊の分隊長は誰にするか。
あと、執務官や捜査官は誰にするんです?」
「あぁ・・・それを伝えていなかったな」
クロノはゲオルグの問いでそのことを思い出し、ソファから立ち上がって
自分のデスクの上に置かれていた書類の束を手に取ると、
再びソファに戻って腰をおろし、テーブルの上に書類を置いた。
「執務官はティアナを4月付けで君らのところへ異動させる。
空席になる分隊長のうち1人は彼女にしてくれ」
「ティアナをですか!? まさか、そのためにテロ対策室に?」
「そうだ。 今回の派遣もその一環だ。 彼女には伝えていないがね」
ゲオルグはクロノの言葉を聞いて、驚きで目を丸くする。
一方、クロノは平然として話を続ける。
「捜査官の方ははやてに候補者を何名か挙げてくれるように頼んでいる。
もう少しすれば候補者リストが君のところへ送られてくるはずだ。
あと、残る分隊長と分隊員の候補者のリストがこれだ」
クロノはそう言うと、テーブルの上に自分が置いた書類の束を指差す。
「拝見します」
ゲオルグはテーブルの上にある書類の束を手に取ると、その中身を読み進めていく。
一枚読み終わるごとに隣に座っているチンクに渡していく。
20人ほどのプロフィールを見終わり、最後の一枚になったところで
ゲオルグはその両目を見開いた。
「なんですか、これは!?」
ゲオルグは大声をあげてクロノの方につい今まで見ていた最後の一枚を突き出す。
「見れば判るだろ。分隊長候補のプロフィールだよ」
淡々とした口調で答え
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