第4話:ハイジャック事件−4
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ってくれ。 今回の件とは別に話すことがある」
クロノの言葉を受けてゲオルグとチンクは浮かせかけた腰を
再びソファに落ちつける。
「なんですか?」
「実は、今度の4月の人事で君を昇進させることになった」
「はぁ・・・ありがとうございます」
ゲオルグはクロノの言っていることの意味を図りかね、曖昧な返事をする。
だが、その返事でクロノは機嫌を損ねたようでゲオルグに鋭い目を向けた。
「なんだ、嬉しくないのか?」
「嬉しくないこともないですけど、あまりそういうのに執着してないので」
ゲオルグの言葉にクロノは拍子抜けしたのか、少し肩を落とす。
「もう少し喜んでくれてもいいと思うんだけどね。でだ。
君たち、特にゲオルグの1佐昇進に伴って特殊陸戦部隊の規模を拡大する」
「なるほど、そっちが本題ですか。 それで、どの程度拡大するんです?」
「1個分隊を増設するのと同時に、執務官と数人の捜査官を配置して
テロ事件の初動捜査機能を持たせる」
ゲオルグはクロノの言葉を聞くと、わずかに顔をしかめる。
「初動捜査ですか・・・。 また面倒なことを言いますね。それに分隊増設も。
理由をお聞きしてもいいですか?」
ゲオルグがわずかに細めた目でクロノを見ながら尋ねる。
「君らは高い情報収集能力を持っているだろう?
それを捜査に使わないのはもったいないと思ってね。
戦闘要員の増員については、より弾力的な部隊運用ができるようにとね」
「弾力的って、どういう意味ですか?」
「たとえば、4個分隊のうち2個分隊ずつで別の作戦を展開するとかだよ」
「ですけど、それを実現するには上級指揮官が足りませんね。
俺の次に階級が高いのはアバーライン3佐ですけど、彼は強襲揚陸艦の運用を
任せるために呼んだ人材で、陸戦要員ではありませんから」
「それについては僕にも腹案はある」
「それは?」
ゲオルグが尋ねるとクロノはチンクの方に顔を向けた。
「チンク。 君を1尉に昇進させて、副部隊長としてはどうかと思う」
「はい!?」
クロノの発言を受けて、チンクは驚きのあまり大声をあげた。
「そうですね。 隊を分割して同時展開させて、もう一方を指揮するのは
チンクが最も適任でしょうね」
チンクとは対照的に落ちついた口調でゲオルグがクロノの意見に同調すると、
チンクは慌てた表情を見せる。
「ちょ、ちょっと待て。 私はそんな器じゃない!」
隣で座るゲオルグに向かってチンクが詰めよるが、ゲオルグは落ちついて
それを受け止めた。
「なら、代わりに誰を置くんだ?
クリーグは分隊長としてもう少し経験を積むべきだし、
ウェゲナ
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