反董卓の章
第13話 「なぁにを騒いでおるかぁ! 喝ぁつ!」
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まくすれば、多分たんぽぽが勲功第一になるかもしれないぞ?」
「――へ?」
俺の言葉に、鳩が豆鉄砲食らったような顔になるたんぽぽ。
ははは……こういう時は、翠にそっくりなんだな。
「そのために、俺達はなるべく時間をかけて虎牢関を落とすようにする。虎牢関次第でもあるが……ちゃんと関の防御力に頼ってくれるなら問題ないはずだ」
「……でも、ご主人様。水関みたいに将が打って出てきたらどうするの?」
桃香の不安げな言葉。
確かにその懸念はある。
なにしろ、水関で関が無力だということを、俺自身が証明してしまった。
俺が前に出れば、また同じことになるだろうと向こうが警戒して、関の外で決戦を挑んでくる可能性も高い。
「……正直、それがあるからこそ、できるかぎり行軍を遅らせたくてな。だが、行軍を遅らせるのも、あと二、三日が限度だろう。だからできるだけ早く、しかも迅速に事を進める必要がある」
「……それで、たんぽぽになにをしろと?」
「ああ……それは」
俺が言おうとした時、天幕に雛里が入ってくる。
その後ろに一人の女性を連れていた。
「彼女と一緒に……先回りして欲しいんだ」
「あ! あんた!」
たんぽぽが叫ぶ。
彼女が見知った顔が、そこにいた。
「董仲穎殿のいる、洛陽に」
―― 馬岱 side ――
――そして時はまた戻る。
桃香お姉様と別れた後、一刻ほどしてから袁紹の大天幕へと向かう。
そこであの、やたら目付きの悪い文官の人から伝令の書状と証明の印璽をもらって、自陣へと戻った。
「おかえりなさいませ、姫」
「ただいまっ! 皆準備出来ている?」
「はっ! もちろんでございます!」
たんぽぽの軍……千の騎馬兵たちがその場に揃っている。
皆には今朝方、内密にあることを伝えてある。
その話に、反応は様々だったけど。
それでも見ている限りは、皆どの顔にも涼州を出た頃よりかは幾分ましな顔になっているように思える。
「うん。じゃあ……あの人達は予定通り?」
「はい。後方にて別働隊で待機中です。谷の出口にて合流できるかと」
「そっか。じゃあ、急いでいこっか。時間はあんまりないしね」
兵が連れてきたたんぽぽの愛馬。
翠姉様の麒麟とかには敵わないけど、結構疾く走るたんぽぽの相棒。
その愛馬に跨って、槍を掲げる。
「じゃあ、いくよ! 馬岱隊、しゅっぱ――」
「おーい。どこいくんだぁ?」
「あらららら……な、なんだよ、もう」
たんぽぽがカッコよく決めようとしてたのに!
声をした方を見ると、白い馬が疾走ってくる。
乗っている人は……確か公孫賛とかいう人だった。
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