反董卓の章
第13話 「なぁにを騒いでおるかぁ! 喝ぁつ!」
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しれないでしょ? 仮に洛陽へ戻ろうとするなら、間に合うなら挟撃、間に合わないなら陽動していた諸侯と合流して、洛陽での決戦もできるし」
「……いいですわね。その案、いただきますわ! すぐに命令書を出しましょう。馬岱さんは、それを持って伝令に行っていただけるかしら?」
「御意ですー!」
馬岱は、了承の言葉ともに頭を下げる。
そして下げた頭を少しだけ横にずらして劉備を見て、ニヤリと笑った。
劉備もそれを見て、軽く頷く。
「命令書はすぐに唐周さんに書かせましょう……唐周さん、いいですわね?」
「……ハッ」
唐周と呼ばれた文官は、頭を下げつつ劉備を見る。
その眼光に憎しみの光が見えて、劉備は驚きつつも目を逸らした。
(え? なにかな、あの人。すんごくこっち睨んでいる気がするんだけど……全然知らない人だよ!?)
劉備にとって見れば、全く面識のない人物である。
何故にそんなに睨まれるのか、とんと記憶になかった。
「用件はそれだけですの? でしたらわたくしは、鹵獲物資の検閲がありますから行きますわよ?」
「あ、はい! お手数をお掛けしました」
「唐周さん、後は任せますわね。お〜ほっほっほっほ!」
書状の作成や伝令内容などを部下に一任し、自らは水関の関へと入っていく。
本来であれば後回しにするべきことが逆であるが、それが袁紹の袁紹たる所以であった。
「さて……馬伯瞻殿ですな。すぐに書状を認めましょう。それを持って伝令……ということですな」
「あ、はい! お願いします!」
「ふむ……まあいいでしょう。くれぐれも……寄り道などせぬように」
「ギクッ!? あ、はい! もちろんですよ!?」
唐周の言葉に、若干上擦りながらも答える馬岱。
唐周は胡乱げな視線で馬岱を見た後、『一刻後に大天幕へ出頭してください』と言い残して、一人陣へと戻っていった。
「ふ〜あっぶなかったぁ。たんぽぽ、バレたのかと思ったよ」
「馬岱ちゃん……お願いだから、伝令に出るまで言動には注意してね?」
「あ、はい。ごめんなさい、桃香姉様!」
「………………」
はあ、と溜め息を吐く劉備。
「馬岱ちゃん……言われたでしょ? この件が片付けるまではお互いの真名禁止だって」
「あ〜……ご、ごめんなさい。つい、嬉しくて……」
「……はあ。(ぼそ)たんぽぽちゃんの役割は重要なんだからね? 気をつけてね?」
「はい! 任せて下さい、とう……りゅーび姉様!」
「わかってない……わかってないよ、馬岱ちゃん……」
劉備は、頭を抱えるように首を落とす。
それとは対照的に、頬を染めてにこやかに笑う馬岱。
全ては昨夜の出来事からだった。
―― 盾二 si
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